ピラルクーを食べてみよう♪ [ブラジル雑学]
ピラルクーは鱗のある淡水魚としては世界最大の魚であり、成魚は体長5メートル、重さ300Kgにも達すると言われています。また、ピラルクーは世界最古の淡水魚としても有名で、1億年以上もその姿を変えずに生き続けているため、淡水のシーラカンスとも言われています。
トゥピ語(ブラジル原住民の言語)で「魚」を意味する「Pira」と、その実から化粧に用いる紅い色素を採取する「Urucu」という植物の名を合わせたもので、「紅い魚」を意味します。
南米のアマゾン川流域に分布し、沼地や川の流れのゆるい所に生息し、うきぶくろを使って肺のように空気呼吸をするのが特徴です。
しかしながら、ピラルクーは現地人のごく一般的な魚肉タンパク源(それに美味)であり、地元民による乱獲のため、マグロなどの塩水魚でも大型の魚が激減しているように、アマゾン流域に住むピラルクーも年々、大きなものはあまり見られなくなっています。
ちなみに、ピラルクーの水揚げ量は、1960年代までは、年間2千トン以上の水揚げ量が記録されていましたが、それが1970年代に入ると年間300トンを割り込み、今や絶滅の危機さえ感じさせる程の幻の魚と言われるようになり,現在ワシントン条約にて厳しく管理される魚となってしまっています。
ピラルクーは数分おきに呼吸のために水面に上がってくるので、そこを狙って銛などでかんたんに捕られるのです。
なぜ、ピラルクーの話をはじめたかというと、ブラジルで毎週日曜日の朝早く農業生産者向けのTV番組が放送されるのですが、先週の日曜日、N◯Kの大河ドラマ『軍師官兵衛』(面白いドラマですね)の前に、ブラジルの民放TVでこの番組を見ていたら、アナウンサーが「ヨコヤマさんがピラルクーの養殖成功のきっかけを作った」と紹介していたので興味をもって番組を見たのです。
日本人と魚養殖は切っても切れない深い関係があるので、
“もしかしてヨコヤマさんというのは日本の養殖の専門家”
とLobyは思ったのですが、養殖とはまったく関係のない方でした。
番組の内容を要約すると…
ロンドニア州でピラルクーの養殖がはじまったのは、1970年代初期にヨコヤマ・メグミ氏(日系2世男性)がロンドニア州の奥地の田舎町ピメンタブエノ市に引っ越して来たのが、そのきっかけとなった。
このヨコヤマ氏、ピメンタブエノ市に移り住む前は、南米最大の都市サンパウロに住んでいいたそうで、なにがヨコヤマ氏をして、ブラジルの中でももっとも辺ぴな州であるロライマ州の首都ポルトヴェーリョ市から520Kmも離れたところにある片田舎のピメンタブエノ市(人口3万)にやって来たのか番組では説明していませんでしたが、このヨコヤマ氏のおかげで世界ではじめてのピラルクーの養殖が可能になったのです。
(ピメンタブエノ市は州都ポルトヴェーリョから520Kmのところにある)
ヨコヤマ氏が1970年代初期に養殖を始めたピメンタブエノ市はロンドニア州奥地にある
大きな地図で見る
もっとも、このヨコヤマ氏は養殖の専門家ではなく、サンパウロにいた頃は会計士の仕事をしていたそうですから、養殖に関しては、まったくのド素人だったということになります。
このヨコヤマ氏、典型的な日本人らしく(?)釣りがなにより好きで、よく川で釣りをしていたけど、その頃には乱獲のせいで魚が釣れなくなっていた。
“これではダメだ”と川魚激減を憂いたヨコヤマ氏は、アマゾン流域に生息する川魚の養殖することを思いついて養殖をはじめました。養殖が順調に軌道にのったころ、ピラルクーがやはり乱獲により滅亡しかけているのを危惧したヨコヤマ氏は、ピラルクーの養殖をすることを決意(1992年)。
アマゾン州まででかけ、漁師と交渉してピラルクーの幼魚800匹をトレーラートラック一台と交換し(かなり高額です)、人工池に放ったのですが、ピラルクーの生態など研究したこともなかったようで、暑さなどで500匹が死んでしまった。
残った幼魚も増殖しないなど問題を抱える中、ご近所さんの中で「(養殖を)やってみてもいい」という方に分けてあげて、それから徐々に養殖が広まったそうです。
もちろん、ヨコヤマ氏の失敗例を見ても分かるように、養殖というものは簡単にシロウトができるものではありません。
SEBRAEという、政府系の小·零細企業サービス機関の技術援助&経営コンサルティングを受けたことがその成功の秘訣だったと言えそうです。
ちなみに、現在、ヨコヤマ氏は数種類のアマゾン流域の魚を養殖しており、地元ではたいへん尊敬されている人物だそうですが、養殖をはじめたころは、“アマゾンで養殖をしようとしているキチガイ日本人”と呼ばれたそうです。
そして、ロンドニア州はブラジル屈指のピラルクー生産拠点となり、年間800トン(2013年水揚げ量)もの養殖ピラルクーを国内外に販売するまでになっています。
動画の中では繁殖期のピラルクーの興味深い生態も紹介されています。
ピラルクーが牛のような鳴き声が見れます。また、ピラルクーはほかの養殖魚のように人工授精・孵化ができないそうで、自然のままに川(養殖池)の中で繁殖させ、あとで幼魚を分けて育てるのだそうです。
溺れる魚
完全版の動画の方には、ピメンタブエノ市の養殖場で穫れたピラルクーが、その修理工場で処理され、氷詰めでトラック輸送される様子が写されていますが、ほかの養殖されている川魚が鮮度を保つため、生きたまま運ばれるのに、ピラルクーだけがなぜ氷詰めで運ばれるのかについて説明されています。
それは、なんとピラルクーは水槽に入れて運ぶと、トラックの揺れなどで水槽に波が立ち、水面でうまく呼吸できずに溺れてしまうからだそうです みなさん、魚が溺れるなんて聞いたことがありますか
ピラルク、ドラえもんの映画
「のび太の大魔境」に出てきたのを
30年くらい前に読んだのを覚えています。懐かしい。
現在はリメイクブームで昔のがまたやってたりするので
今の子供たちにももしかしたらお馴染み!?。
それにしても凄い見た目の魚ですが食べられるなんて
ビックリです。(しかも美味しいなんて(=´∀`)人(´∀`=)。
by すーさん (2014-01-14 06:51)
へー、これは大きい魚ですね。
ぜひとも食べてみたいです(^^)
by 駅員3 (2014-01-14 06:51)
アマゾン川で捕れる魚がマクドナルドのフィレオ・フィッシュになっていると聞きましたが、この魚でしょうか?
サルも木から落ちるといいますが、流石に魚が溺れるというのは初めて聞きました。
しかし、このような魚が、陸に上がって両生類や爬虫類になったということであれば、進化論的に納得しやすいですね。
by ackylacky (2014-01-14 08:55)
大魚ですね。(゜ロ゜)
by Silvermac (2014-01-14 09:53)
なんだか とっても食べてみたくなりました。
お酒は何があうんでしょうね。
by チングルマ (2014-01-14 15:44)
一度食べてみたいです♪
by るぐっちぃ (2014-01-14 15:57)
>すーさん、おお、そうですか!
ドラえもんでも出てきたのですね。
たしかにピラルクーはシーラカンスのような、
すごい体していますよね^^;
でも、獰猛な魚とは聞きませんのでおとなしいのでしょう。
ピラルクーの肉は焼いて食べるとたいへん美味です。
>駅員3さん、今は1メートル半くらいの大きさのが
普通のようですが、それでもかなり大きいですね。
>ackylackyさん、アマゾン流域にはかなりの種類の魚が
いますので、たぶん、別の種ではないかと思います。
(ピラルクーは値段が高いのです)
進化論的にはどこに位置するのか調べないとわかりませんね。
>Silvermacさん、かなり大型の魚です。
>チングルマさん、合うのはやはり地元のビールですね♪
たいへん美味ですよ^^b
>るぐっちいさん、機会があれば、ぜひ一度ためしてください♪
by Loby (2014-01-14 20:40)
ピラルクー、
水族館で見たような、見てないような。。
魚がおぼれるなんて。。聞いたことないですね。
粋なり養殖とは、大胆な行動ですね。
多分、水の中に入れておけばいいって、
思ったんでしょうね。
でも、これが切っ掛け養殖が上手く進んだことは、
いいことですね。
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2014-01-14 21:32)
ピラルク、どんなお味、口当たりなんでしょう(・・?
大きすぎるお魚に想像がつきません。
灰色の白鳥は幼鳥なんですよ。
まだ真っ白にはならず、灰色なんです^^
by 美美 (2014-01-14 23:35)
ピラルク、食べられるんですね。白身で美味しそうです。食べてみたいです。ユウくん、車が好きなんですね。甥っ子は電車が好きで、いまプラレールに夢中になっています。って、夢中になっているには大人もなんですが(笑)
by youzi (2014-01-15 08:12)
水族館で見たことがありますけど、
ブラジルでは食べられてたんですね^^
by ぽちの輔 (2014-01-15 11:58)
初めて聞きましたし、見ました!
美味しいのであれば一度食べてみたいですね^^
by kuwachan (2014-01-15 12:24)
ピラルクーは巨大な魚のうえ珍魚なので水族館では大もてです。
日本では食べる話は聞いた事ないですね。
by 旅爺さん (2014-01-16 06:25)
おはようございます^^
名前も初めて聞きました。
日本人が養殖に成功してよかったですね。
勤勉なのね^^
by mimimomo (2014-01-16 06:47)
淡水魚でここまで大きくなるのすごいですね。d(^_^o)
by ナビパ (2014-01-16 06:50)
熱帯魚屋さんや、水族館でよくみかけますが
さすがに食べたことはないので
一度でいいから食べてみたいなぁ^^
by チヨル (2014-01-16 07:37)
拙宅近くの松島水族館にもピラルクーがいます。
2m 位ですが、大きいなぁと感じます。
勿論、食べた事はありません(笑)
by johncomeback (2014-01-16 07:55)
日本は 寒い寒い 氷河期に入っております
良く水族館で 見ますが、、、
食べれるんですね 見た目は ギョギョギョ
ですが 美味しそうです(*゚▽゚*)ペロン
by もーもー (2014-01-16 09:13)
そうですね。NYは一擧に30度も気温が下がったとか・・・
ニュースで・・・このままだと地球も心配になってきますね。
昨日は、こちらは6度位でした。風が冷たく散歩に行って
みたが、でも日溜まりに小さい春の花が可愛く咲いてました。
今日も、今散歩から帰ってきて・・・タンポポの花が一輪咲いて
ましたよ~自然は、春を知ってるんでしょうね。
by ryuyokaonhachioj (2014-01-16 14:50)
> なんだかなぁ〜!! 横 濱男さん、日本の水族館にはいるかも知れませんね。
私も溺れる魚なんて初めて聞きましたが、肺で呼吸をするのであれば当然かも?
>美美さん、味は淡白なので鉄板焼きなどすると美味しいです。
ああ、灰色なのは幼鳥なのですか?
そういえば、「みにくいアヒルの子」でもそうなっていましたね。
>youziさん、かなり美味ですよ^^b
プラレールですか? ユウもきっと好きだと思いますけど、
もう少し大きくならないと無理でしょうね。
>ぽちの輔さん、水族館でご覧になったことがあるのですね。
ブラジルでは、アマゾンあたりではよく食べられている魚です。
>kuwachanさん、えっ、そうですか?
日本でもレストランで食べれるようです。
>旅爺さん、おお、そうですか!
珍魚といえば珍魚ですよね^^;
どこでも食べられるというわけではありませんが、
日本でも食べれるレストランがあるようですよ。
>mimimomoさん、おはようございます。
こういうところでも日系人がブラジルの役に立っている、
と知ってうれしくなりました。
>ナビパさん、生きている化石、と言われているだけあって、
度肝をぬく奇妙な形と大きさです^^;
>チヨルさん、えっ、こんな大きな魚を熱帯魚屋さんにおいている
のですか!? ふつうので1.5メートルくらいあるんですけど…
日本でも食べれるレストランがあるようですよ。
> johncomebackさん、おお、お宅の近くの水族館にもいるんですね!
2mはかなり大きいですよね^^;
どこでも食べられる魚ではないようです。
>もーもーさん、日本は極寒ですね。
こちらは快適な暑さです。
水族館でよく見られるということは飼いやすい魚なんでしょうね。
>ryuyokaonhachiojさん、小氷河期に入りつつある…
今後、記録されたことのないような大型台風も多く発生する…
なんとも怖い予測ばかりです ><
もう、タンポポが咲いているのですか?
自然界の植動物は季節をしっているのですね~!
by Loby (2014-01-16 20:50)
ピラルクーは、観賞魚だと思ってました。
稚魚は手に入りやすいですが、大きくなると高額に・・・
ピラルクーの故郷では、食用になるんですね^^;
日本人、頑張ってますね♪
by てんてん (2014-01-18 18:21)
>てんてんさん、鑑賞もできますが、食用にもできます^^;
日本では大きなピラルクーは高額なんですね。
ピラルクーの養殖に日系人が大きな貢献をした
ということは、同じ日本人として誇らしいです。
by Loby (2014-01-20 06:34)
急なご連絡申し訳ございません。
ただいま、TVにてピラルク漁の写真を使用したく思い
探しておりまして、
ブログに掲載されているピラルクー漁の画像をどこから
いただいたかおしえていただけないでしょうか。
ご連絡頂けますと幸いです。
よろしくお願い致します。
by 大迫 (2017-12-07 16:11)