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子どもの発達障害と教育 [考えること]

 最近、ある雑誌で『発達障害と子育て』という、興味深い記事を読みました。

発達障害

発達障害とは、広汎性発達障害(自閉症など)、学習障害、注意欠陥多動性障害など、脳機能の発達に関係する障害。政府広報オンラインより引用)とあります。

Loby家には発達障害をもつ人間はいませんが、周りには、“自閉症”のお子さんをおもちの方などがいます。 それらの発達障害児を育ててるご両親やご家族の苦労は並ならぬものだと思います。

ユウちゃんの後追い



さて、ユウちゃんは発達障害児ではなく、Loby家にも発達障害の人間がいないのに、なぜ、この記事に関心をもったかというと、記事の中で『愛情』と『愛着』についてふれていて、『愛着』は英語で「Attachment」であり、愛着という表現でいいのか、と筆者は疑問を提示していますが、『愛着』について、

「通常は幼児期後半から通常は幼児期後半から2歳児くらいまでにかけ、養育者といっしょにいる方がリラックスでき、養育者がいなくなると後を追いかけたり、泣いたり、すがったりする…」と説明しているのですが、ユウちゃんが、この“後追い”をするのです。

ユウちゃんはもうすぐ4歳(正確には3歳9ヶ月)になるのですが、いまだに“後追い”をします。 しかも、その相手はママではなく、「おばあちゃん」 たぶん、ママはお仕事に行ったら帰って来るまで会えない、甘えられない、とあきらめていて、その反動とでもいうべきか、「おばあちゃん」をママ代わりに頼りにしているのだと思いますが、通常は2歳半くらいまでと言われている“後追い”を4歳近くになってもしているのは少々普通ではないな… と感じました。

 


Yuyu-昼寝4


ユウちゃんは、知恵がかなり発達していて、たいへん活発なところもあるのですが(だからといって、ADHD=注意欠陥/多動性障害でもないようです)、この歳になっても“後追い”をするというのは、やはり専門家に一度相談した方がいいと思います。
先月から、ユウちゃんは児童心理士に月に一回通うようになりましたので、この歳ママも、“後追い”について相談して、適切なカウンセリングを受けれるといいと思います。

ユウちゃんの後追い1



ちなみに、子どもは“後追い”の期間がしばらく続いた後、子どもの中で養育者を内在化し、そうすることによって、養育者が目の前にいなくても不安にならなくなる。しかし、適切な時期にこの『愛着』形成がないと、自分で自分をなだめることが出来なくなる「愛着障害」に陥り、誰かれ見境なく出会ったすべての人と絆を形成しようとしたりするようになるなどの問題が出てくる場合があるそうです。(愛着障害についてはこちらを参照)


発達凸凹

“後追い”の問題のほかに、興味をもったのが『発達凸凹』というワード。
これは筆者が発達障害の中で、軽度のグループに対して使っている言葉だそうですが、発達障害者に共通する認知の特性は、マイナスばかりでなくプラスもあり、優れた実績をもつ人が多いからだそうです。
実際に、医師、教師、言論人などの中に、このグループに入る人が多いとか。だから、すべてをひっくるめて“障害”と言えない、と指摘しているのです。


ステーイブ・ジョブズ氏も発達障害だったと言われている
ステーイブジョブズ



ちなみに『発達凸凹』の子どもは、1割以上の割合でいるそうです。
なので、子どもを育てていて、少しでも“変だな”と感じたら、凸凹に関する評価診断を受けるべき、とアドバイスしています。
“発達障害”と診断されても落胆せず、発達障害には凸凹があるのだから、マイナス面もあればプラス面もあるのだから、上手に育てていけば、少しだけ変わった優秀な人に育つことができるー そのように捉える親の姿勢が大事なのだと。


発達障害児への支援教育

日本における発達障害児の割合が、一割以上であるにもかかわらず、日本ではすべての学校に特別支援教育クラスが設置されてない、という実情に唖然とします。
発達障害の子どもは増えているのに、国の対応が遅れているのです。したがって、どの学校も発達障害児への対応がうまくできておらず、中には転校を示唆するところもあるとか… (言語道断です!) 発達障害児に対する対応、外国ではどうかと見てみると、米国の場合は個別支援教育を受けている児童は一割。英国の場合は二割。それに比べて日本の場合は3パーセントにも満たさないというひどさ。
さらに、外国と日本の違いは、米国や英国の場合は、天才児のための教室があること。
米国では、もっとも多く特別支援を受けている子どもは学習障害児だが、その次に多いのが天才児向けの特別教室だそうです。才能がある子どもは、普通の子どもたちの集団の中に置かれると、時間つぶしをしてしまうので、それではせっかくの才能がもったいないのと、天才児たちはその大半が発達凸凹だから、そのニーズに合った教育をしているという訳です。そういう考えが米国や英国の社会にはあるのです。ビル・ゲイツ

“日本人には個性がない”と言われるが、それは画一的な教育で個性をつぶされて来た結果だというのです。
アップル創業者のステーイブ・ジョブズやマイクロソフト創業者のビル・ゲイツが、どれほどの富を米国にもたらしたか。これらは、子どもの個性を大事にする、発達障害児(凸凹含む)に適切な教育を行ってきた当然の結果なのです。
筆者が指摘する日本教育の最大の問題点は、戦後教育にあり、個性は集団の中で発揮されるという社会主義的な発想と昔の日本の軍隊教育の影響が戦後教育の現場にのこっているのだそうです。日本の教育の問題の根は想像以上に深く重いのです。(だから、歴史の教科書などでは、日本政府&軍隊による、朝鮮、台湾などの植民地化、中国大陸への侵略などについて正確な記述が述べられておらず、現在の旧態依然とした考えの為政者(と傀儡的な教育者たち)にとって都合のよいことしか書かれてないわけです)

本記事の筆者は 杉山登志郎 浜松医科大学
児童青年期精神医学講座 特任教授 です。
杉山登志郎

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それにしても、日本の教育会の現状は暗澹たるものがありますね。
日本で大きな問題となっている「いじめ」の問題。子どもを自殺にまで追い詰めることがある、この深刻な問題を解決するどころか、事件が発生した場合はロクに調査もせず、それどころか隠蔽さえしようとする教育委員会もあるという責任逃れの体質。昔は世界でもトップクラスの優秀さを誇った日本の小中学生たちは、今では学力テストで中国の小中学生にも抜かれる始末。一方、大学を見れば、大学生は入試に受かったあとはろくすっぽ勉強をせず(日本の大学生の教室外での平均勉強時間は一日あたり一時間だとか!)に卒業する。これも、学生たちが勉強をしなくても最低限の出席率があり、卒論さえ提出すれば卒業させるという、大学側の教育システムに問題があります。これでは優秀な人材が育つはずがなく、欧米や中国にまでも遅れをとるはずです。



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あしあと(117)  コメント(15)  トラックバック(0) 
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コメント 15

himanaoyaji

教育、昔みたいに先生が怖い、親が怖いに戻すべきですよね、
悪い事したら「殴られる」いいじや無いですかね、
(殴り方を知らないので怪我をさせてしまうのでは)
子供を誉めて育てるのは賛成、でも甘やかすのは・・・
by himanaoyaji (2013-10-11 06:13) 

駅員3

なるぼと、「愛着障害」ですか。
お恥ずかしながら、知りませんでした。
多くの子供たちと付き合う機会がありますが、なるほどと思うことがあります。
by 駅員3 (2013-10-11 06:48) 

ちゅんちゅんちゅん

おはようございます!
とても勉強になりました。
日本の教育は軌道修正が叫ばれながらも
以前として変わりません。
人を育てることをもっと真剣に考えなければ・・と思います。
by ちゅんちゅんちゅん (2013-10-11 07:41) 

youzi

数年前に1年間、決められた小中学校を日替わりで回って仕事をしていました。中学校では私が中学生の頃にはいなかったカウンセリングの先生がいました。「愛着障害」私も知りませんでした。
by youzi (2013-10-11 07:46) 

なんだかなぁ〜!! 横 濱男

日本の教育は、チョットお粗末ですね。。
ゆとり教育からおかしくなり始めましたね。
それと、PTAのクレームの聞きすぎで、
穏便に穏便にで、先生も何も出来なくなっている。
こういうモンスターは、困りますね。

by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2013-10-11 09:01) 

チングルマ

なるほど うんうん うなずきながら読ませてもらいました。
by チングルマ (2013-10-11 09:43) 

kuwachan

こんにちは。
確かに日本の教育の問題は色々ありますね。
大学についてはちょっと耳が痛いです(笑)
by kuwachan (2013-10-11 12:20) 

イヴママ

発達障害、私も子供が小さいころ
この子はそうじゃないかなって子に2~3人遭遇してます。
でも親は絶対にそれを認めません。
多分それに見合った教育を受けたら
立派になるだろうな~って思うのに、
親は認めないんですよね~。
難しいですね・・・。
日本の教育も問題がとってもあって、
私に厚生労働大臣やらせろや!って思うこといっぱいです。
by イヴママ (2013-10-11 16:41) 

ackylacky

私の子供が小学校に通っている間、二人いるので8年間でしたが、その間は毎年二人以上の先生が精神疾患を理由に休んでました。その小学校は全学年で12クラス、先生は20人ちょっとだったので、1割の先生が毎年病気で休んでいたことになります。
どう考えてもへんです。それでも、日本という国は改革できないのです。
by ackylacky (2013-10-11 20:43) 

Loby

>himanaoyajiさん、おっしゃる通り、子どもの教育は甘やかす
 ばかりでは、まともな人間に育ちませんね。
 やはり、学校でも家庭でもある程度の厳しさでもって、躾けをするべきです。ただし、学校での体罰は疑問です。お仕置きは別の方法で。

>駅員3さん、「愛着障害」は私も知りませんでした。
 こういう子どもの問題があるな、とは薄ら薄ら知っていましたけど...
 最近の子どもはとくにこの障害を持っている子が多いのでは?

>ちゅんちゅんちゅんさん、おはようございます!
 子育ても教育も難しいものです。日本も、外国で成功している教育法を一日も早く導入して、障害児を抱えている方たちを支援してあげるべき、と思います。

>youjiさん、「愛着障害」という名前は私も知りませんでした。
 こういう障害をかかえている子どもって結構いるようです。
 (うちの孫もそうですし...)
 今では学校にカウンセラーがいるんですね。
 でも、それだけでは不十分ですね。

> なんだかなぁ〜!! 横 濱男さん、日本の教育は、基本的な教育思想からして戦時中のものや、社会主義的なものということですので、まったく現状無視のダイノサウルスみたいなものです。
 これでは心身ともに健康な子どもを教育できるわけがありませんね。

>kuwachanさん、こんにちは。
 日本の教育は大きく改革する必要がありますが、肝心の政府の方にその意欲が欠けていますので、これからも今のような状況が続くのでしょうね。

>イヴママさんも、子供時代に身近にそういうお子さんを見られたのですね。日本の発達障害児に対する対応は、昔も今もあまり変わってないようですので、やはり親は自分の可愛い子が差別されないように、一生懸命守ってあげることで精一杯なのでしょうね。
 イヴママさんを厚生労働大臣に? 大賛成です。
 ついでに文部科学大臣も兼任してください^^b

>ackylackyさん、一割の教師が精神疾患で休職?
 たしかにそれは異常ですね。
 現場で働く教師がそんな状態だということは、それだけ働く環境がひどいということですよね...
 実はブラジルでも似たり寄ったりなんですよ。
 こういう現状を改めないと将来は真っ暗ですね。


by Loby (2013-10-11 22:05) 

くるめっち

こんばんは(*´∀`*)☆
一日でも早く高校を義務教育にして、大事な学生時代を受験地獄から天国へと引き上げて欲しいものです。
それから、道徳教育をもっときちんと学ぶ時間を作って欲しい。
by くるめっち (2013-10-11 23:37) 

がり

最近ニュースではいじめの自殺とか
ストーカーの高校生殺害とか
あまりに目を覆いたくなる事件ばかりで、
日本ってこんなに怖い国だったのかなぁと悲しくなります。
by がり (2013-10-12 15:08) 

rabbit

 最近の日本では、いじめをはじめ子どもたちを取り巻く環境がおかしくなってます。
 学校、家庭、地域がそれぞれ役割分担しながら、子どもの教育を考えたいものです。大人の責任が問われます。

by rabbit (2013-10-12 20:27) 

Loby

>くるめっちさん、こんばんは。
 そうですね、日本はすでに高校を義務教育にする条件がそろっていますよね。あとは政治家の決断だけですね。
 道徳教育はたしかに不可欠ですね。

>がりさん、いじめとかストーカーとかチカンとか。。。
 日本はたしかに少々”異常”としか思われないことが頻繁に起こっていますね。これも”病める社会”の症状なのでしょう。
 精神教育、または くるめっちさんもおっしゃっている道徳教育といったものが必要なのかもしれませんね。

>rabbitさん、いじめを許容する環境があるから、それがはこびるのでしょうね。
 ここは根本的に、教育に携るもの全員ー ご指摘のように社会全体で責任をもって取り組みー 解決するしかありませんね。


by Loby (2013-10-12 22:31) 

SIBA-dog

そうなんですよ。発達障害児の対応は日本は遅れています。
私はボランティアで自閉症・ダウン症の子供たちと水泳を
楽しんでいます。集団行動をきらう彼らは親と一緒に
泳ぎを覚えていきます。水泳は自信と社会性をつけてくれる
教育ですからね。
by SIBA-dog (2013-10-15 23:48) 

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