大学入試 50万人が作文でゼロ点! [好奇心&ニュース]
大学入試、53万人が作文でゼロ点!
こんなニュースが先週、TV&新聞等で報道されました。
日本ではセンター試験という共通入学試験がありますが、ブラジルでも似たような試験があり、これがENEM(Exame Nacional de Ensino Medio = 中等教育全国学力検定試験)と呼ばれ、この試験で高い点数をとった学生は、有名な国立大学などにも優先的に入学できる(奨学金などを受けることも可能)という多大なメリットがあるため、いまや中等教育を学んでいる学生のほとんどがこのENEM試験を受けています。(注:ブラジルの教育制度は初等、中等、大学の3レベル制度であり、中等は日本の高校と同様レベル)
2014年度のENEM試験は、昨年11月8日、9日のに2日間にわたって行われ、参加者はブラジル全国で6百万人以上
日本のセンター試験の56万人とは桁違いです。
ENEM試験の課程内容
【初日】(試験時間 合計4時間30分)
自然科学とその技術(45問): 生物学、物理学、化学
人文科学とその技術(45問):歴史、地理学、哲学、社会学
【二日目】(試験時間 合計5時間30分)
国語・外国語とその技術(45問):ポルトガル語、ブラジル文学、外国語(英語またはスペイン語から自由選択)、芸術、体育学、ITとコミュニケーション
作文(1問):あたえられたテーマに関して論説的に述べること。
数学とその技術(45問):数学
このENEM試験で、受験生たちから難関中の難関
とされているのが『作文』であり、先週ニュースになった”ゼロ点50万人以上”は、はからずも最近の学生(若者)たちの文章力のなさを如実に示しています。
まあ、これはブラジルだけに限ったことではなく、日本あたりでもずいぶん前から若者の「活字離れ」が指摘されていますが、ブラジルの場合は、以前から若者はあまり本を読まなかったのに加えて、最近ではソーシャルネットワークで略字とか短文を乱発、また、よく考えないで反射的に書く、それも数行しか書かない、などで文章力はさらに低下という悪循環。これでは年々作文ゼロ点の受験生が増えても不思議はありません。
前述した、試験課程の中で、作文は”あたえられたテーマに関して論説的に述べること”と書きましたが、ブラジル文部省のホームには、さらに詳しく説明してあります。
それによると、作文では次の5項目について学生の国語力が問われます。
ポルトガル語文章力をもっていること。
あたえられたテーマを理解できること。
情報、事実、意見、論争点などを正確に理解し、(文を)選択し、関係づけ、(自分の見解から)説を論じること。
論じるために必要な国語力をもっていること。
人権を尊重しながら、作文のテーマで取り上げられている問題への(自分なりの)解決策を提言すること(締めくくり)。
各項目はそれぞれ満点が200ポイントだそうですが、締めくくりというか、総括は200点が最高得点としてあたえられることになり、やはり、インターネットや新聞などだけで読んだ知識だけでなく、いかに”自分がその問題を捉え、理解しているか”が問われることになります。
たかが作文、されど作文
といいたくもなりそうですが、この作文、実はENEM試験の中で占めるウエイトがとてつもなく大きいのです。
なんと50パーセント!
そう、ほかの課程で及第点をとっても、作文で高得点をとれば平均点がドーンと上がるわけです。
だからこそ、受験生たちが一生懸命にとりくんでいるわけです。
2014年度のENEM試験で選ばれた作文のテーマは『幼少児向けの広告』。
テーマがテーマだけに、ユーチューブでバカバカしい動画ばかり見たり、フェイスブック、ツイーターなどでしか文章を書かない学生はさぞ頭を抱えたことでしょう。
しかし、作文の中には突拍子もない内容でかなりの点数をとったものもあります。
これ↓などは、なんとサッカーチーム・フラメンゴの応援歌の歌詞を書いて、それでも全国平均の450点を大きく上回る660点をとりました。(2013年の試験)
これ↓は即席ラーメンの作り方を書いた作文
これでも平均点の560点をとっています。(2013年試験)
ちなみに、2013年度のENEM試験の作文のテーマは『(ドライバーの)禁酒法とこの法がもたらした影響』でした。
なので、『サッカーチームの応援歌』とか『ラーメンの作り方』なんて、”禁酒”とはまったく関係がないように見えるのですが...
作文をチェックした先生方の中にもいい加減な人がいたとした思えません
まあ、こんな頭をひねったり、腹を抱えて笑えるような作文ばかりでなく、この↓女子学生が書いた優秀な作文(960点獲得)のような例もあります。
ちなみに、作文の最高点は1000点なので、この作文は”満点”近いということです。
この作文を書いた女子学生の名前はジオヴァナ・キューリさん(17歳)。
勉学を続けながらモデルをやっているがんばり屋さんで、「”美人は頭が弱い”と思っている人たちに、そうではないということを証明できたわ」と鼻高々です
今日もご訪問有難うございます♪
自分で「美人」と言っちゃうところがまた日本人と違ってスゴイですね。
それにしても作文の点数の付け方は基準が難しいですよね。
by tsun (2015-01-22 09:59)
社会人になると文章力は重要ですね。
ただ、文章力が無いのは若者だけではなく、中年以上の人でもまともな報告書が書けない人が多くて困ってます。
その人達が、新人を指導しているわけで、結果はもうみえてます。
by ackylacky (2015-01-22 20:04)
作文は難しいですね。
苦手です。(^_^)
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2015-01-22 22:42)
ブラジルもなかなか厳しい試験をしていますね。
しかし600万人もの作文を採点するとすると、採点する側は何人いるのでしょうか・・・。
by isoshijimi (2015-01-23 04:04)
作文、小学生の頃は結構得意だったのですが
今はご覧のとおりです^^;
by kuwachan (2015-01-23 12:12)
鼻高々。
by PopLife (2015-01-23 14:18)
小中学生の時は、作文で賞とったくらいでした。
作文は純粋な気持ちがないと書けないです。年波が寄ると
欲まみれになって、書けないですよね。たかが作文、
されど作文・・・むずかしいですよ。ヘ(x_x;)Γ おてあげ
美人学生の作文読んでみたいですね。
by SIBA-dog (2015-01-25 22:58)