宮沢賢治の世界 [日記]
Lobyが週に数回、日本語を教えている寺小屋、ならぬ日本語学校では、
日本語上級資格者を対象とした『翻訳コース』のクラスもあります。
翻訳コースというからには、当然、翻訳の練習をするわけですが、
その教材の一つとしてLobyが選んでいるのが童話です。
最初に日本の児童文学の翻訳をしたので、次はポルトガル語作品を...
と思ったのですが、適当な長さの〈著作権保護期間の切れた〉作品が見つからなかったので、
とりあえず『グリム童話集』から選ぶことに。
周知のように『グリム童話』は世界中で翻訳されており、”いまさら...” という感じですが、日本などでよく知られているグリム童話の作品は以下のようなもの。
かえるの王さま)
狼と七匹の子山羊)
兄と妹
ラプンツェル
ヘンゼルとグレーテル
漁師とおかみ
灰かぶり:「シンデレラ」として有名
ホレおばさん
赤ずきん
ブレーメンの音楽隊
ねずの木の話
いばら姫 :「眠り姫」「眠りの森の美女」とも呼ばれる
つぐみの髭の王さま
白雪姫
ルンペルシュティルツヒェン
千匹皮
がちょう番の女
星の銀貨
(以上、Wikipediaより引用)
当然のように、グリム兄弟によって著された作品はこれ↑だけではなく、全部で200篇ほどあるので、あまり知られてない作品もあり、その中から『七羽のカラス』(The Seven Ravens)という作品のポルトガル語訳を選んで、これを日本語訳させました。
実は、『七羽のカラス』の日本語訳はすでに存在するのですが、あくまでも生徒ひとり一人に地力で翻訳させました。
この作品、兄弟にかけられた魔法を解くために少女が旅をする物語ですが、お話のラストで少々残酷っぽい描写があります
そういえば、グリム童話の中には少々恐ろしいお話やあまり子供向けではない(少なくとも原作は...)お話などもあるとか。
そういった内容のお話は日本の昔話にも多々ありますけどね。
グリムの『七羽のカラス』も問題なく翻訳でき、ついで2番めの日本の児童文学作品として選んだのが同じく宮沢賢治 作の『グスコーブドリの伝記』。これもポルトガル語訳はありません。
『グスコーブドリの伝記』はかなり昔に読んだことがありますけど、詳細は忘れてしまっていました。
翻訳をはじめてから、生徒たちが困ったのがノンリアル的な描写です。
たとえば最初の方に出てくる「てぐす工場」。
見えない糸や網を”まりのようなもの”で高く投げたり、針金のカゴが伸ばすとハシゴになったり...
または「沼ばたけ」では、桃いろと緑と灰いろとカードでできているというような畑が出てくるし...
といったあんばいで、かなりリアリティーのある作品『注文の多い料理店』からくらべると、翻訳する生徒の想像力をためすような文章ばかり。
日本語上級資格者を対象とした『翻訳コース』のクラスもあります。
翻訳コースというからには、当然、翻訳の練習をするわけですが、
その教材の一つとしてLobyが選んでいるのが童話です。
童話というのは、子どもが聞いて理解できるようなやさしい文章でできているために、
初歩レベルの翻訳の教材としては最適なのです。
日本には昔から『おとぎ話』や『民話』などたくさんありますが、大学生くらいの年齢の生徒に
あまり子供っぽい『おとぎ話』の翻訳をさせても何だと思って、日本を代表する近代児童文学作家である宮沢賢治の作品をポルトガル語訳することに。
まず選んだのが『注文の多い料理店』。
調べたところ、ポルトガル語訳はまだないようなので好都合です。
完成した翻訳は念入りにチェックしてから日本語学校のサイトに載せることにしました。
最初に日本の児童文学の翻訳をしたので、次はポルトガル語作品を...
と思ったのですが、適当な長さの〈著作権保護期間の切れた〉作品が見つからなかったので、
とりあえず『グリム童話集』から選ぶことに。
周知のように『グリム童話』は世界中で翻訳されており、”いまさら...” という感じですが、日本などでよく知られているグリム童話の作品は以下のようなもの。
かえるの王さま)
狼と七匹の子山羊)
兄と妹
ラプンツェル
ヘンゼルとグレーテル
漁師とおかみ
灰かぶり:「シンデレラ」として有名
ホレおばさん
赤ずきん
ブレーメンの音楽隊
ねずの木の話
いばら姫 :「眠り姫」「眠りの森の美女」とも呼ばれる
つぐみの髭の王さま
白雪姫
ルンペルシュティルツヒェン
千匹皮
がちょう番の女
星の銀貨
(以上、Wikipediaより引用)
当然のように、グリム兄弟によって著された作品はこれ↑だけではなく、全部で200篇ほどあるので、あまり知られてない作品もあり、その中から『七羽のカラス』(The Seven Ravens)という作品のポルトガル語訳を選んで、これを日本語訳させました。
実は、『七羽のカラス』の日本語訳はすでに存在するのですが、あくまでも生徒ひとり一人に地力で翻訳させました。
この作品、兄弟にかけられた魔法を解くために少女が旅をする物語ですが、お話のラストで少々残酷っぽい描写があります
そういえば、グリム童話の中には少々恐ろしいお話やあまり子供向けではない(少なくとも原作は...)お話などもあるとか。
そういった内容のお話は日本の昔話にも多々ありますけどね。
グリムの『七羽のカラス』も問題なく翻訳でき、ついで2番めの日本の児童文学作品として選んだのが同じく宮沢賢治 作の『グスコーブドリの伝記』。これもポルトガル語訳はありません。
『グスコーブドリの伝記』はかなり昔に読んだことがありますけど、詳細は忘れてしまっていました。
翻訳をはじめてから、生徒たちが困ったのがノンリアル的な描写です。
たとえば最初の方に出てくる「てぐす工場」。
見えない糸や網を”まりのようなもの”で高く投げたり、針金のカゴが伸ばすとハシゴになったり...
または「沼ばたけ」では、桃いろと緑と灰いろとカードでできているというような畑が出てくるし...
といったあんばいで、かなりリアリティーのある作品『注文の多い料理店』からくらべると、翻訳する生徒の想像力をためすような文章ばかり。
なかなか難しい翻訳作業ですが、完成が楽しみです。
将来、生徒たちの中から、翻訳で日本とブラジルの文学に
大きく貢献できる人が育ってほしいものです。
みなさん、とても難しいことをしているように感じます。
すごいですね!
by isoshijimi (2014-10-02 04:48)
翻訳って表現が難しいんですよね。
でも、それなりに翻訳できると嬉しいものですね。。
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2014-10-02 09:59)
宮沢賢治ですか、むかし読んだ事がありますが、忘れてしまいましたね。というのは幻想的なので具体的な情景が浮かばなかったのです。
こういう文章は、訳すのが難しそうですね。
by ackylacky (2014-10-02 20:35)
日本語の翻訳作業は難解でしょうね。生徒さんが日本文学を翻訳
している姿が目に浮かぶようです。Lobyさんの手腕期待してます。
by SIBA-dog (2014-10-02 23:00)
なかなか翻訳って、その国の文化にまで知識を広げないと難しいものですが、みなさん頑張られましたね。
その結果、実力がだいぶ上がったのでは?
by 駅員3 (2014-10-03 07:13)
おはようございます^^
翻訳というのは難しいですよね。何しろ文化の違いが基本にありますから。
言葉だけの問題ではないですものね~
しかしLobyさんやり甲斐がありますでしょ^^
by mimimomo (2014-10-03 08:44)
こんにちは‼
生徒さんに翻訳を勉強させておられるとか・・・難しいのでしょうネ。
日本語の繊細な表現など,,,かなり高度な語彙が必要か?と。
TV番組の「花子とアン」の村岡花子先生を思い出します・・・
生徒さんの良い作品が完成する様に頑張って下さいませ・・・
by ちゃーちゃん (2014-10-03 18:11)
翻訳は、直訳と違って表現力が必要なので
すっごく難しいですよね。童話となると尚更でしょう。
by kuwachan (2014-10-04 00:20)
翻訳は難しいですよね。
会話はできても、翻訳しろと言われたら、
困ってしまいます。
by youzi (2014-10-04 21:58)
おはようございます!
翻訳次第でお話のニュアンスが変わってきちゃいますもの・・・
大変ですが素晴らしいお仕事ですよね✿
7羽のカラス・・・知りませんでした。
自分が知っているお話はほんの一握りだったんですね~☆
by ちゅんちゅんちゅん (2014-10-06 08:23)
>isoshijimiさん、生徒のみなさん、ばんばっています。
将来、社会のために役立つ立派な翻訳家が育って欲しいです。
>なんだかなぁ〜!! 横 濱男さん、そうですね。
技術書などの訳は直訳でいいんですけど、文学作品などの訳は意訳をしないと伝わりませんから、かなり難しいです。
>ackylackyさん、宮沢賢治の作品の特徴は、おっしゃっている通り、
ファンタジー的な描写が多いのです。
なので訳す方も大いに想像力を使って訳さなければなりません。
>SIBA-dogさん、どこの国の作品でも、文学作品の翻訳はかなり難しいです。
生徒たちも頭を捻って翻訳していますけど、続けることで上達することができます。
>駅員3さん、その通りです。
翻訳には、その国の伝統、風習、歴史などの知識が不可欠です。
生徒のみんさん、たいへん頑張っていますよ。
>mimimomoさん、おはようございます。
おっしゃる通りです。根本的な文化が違いますからね。
でも、教え甲斐のある授業です^^b
>ちゃーちゃんさん、こんにちは!!
翻訳コースを受け持っていますので。
翻訳は簡単ではありませんけど、将来、社会のために役立つ
立派な翻訳家がクラスの中から育ってほしいです。
>kuwachanさん、とくに文学作品では意訳が重要です。
なので、原文の意味をどれだけ上手に意訳できるかにかかります。
童話は比較的文章がやさしいのですけど、それでも簡単では
ありません。
>youziさん、会話はそれほど難しくはないですね。
言い間違えてもすぐ訂正できますし、正しい訳を教えてもらうこともできますし。
翻訳は文になってしまうと、簡単には修正できないという難しさがあります。
>ちゅんちゅんちゅんさん、おはようございます!
おっしゃる通りです。その国の風習とか伝統とかまったく知らない外国の人たちに読んでいただくものですから、その点も考慮して翻訳しなければいけません。 でも教え甲斐のある仕事です。
『七羽のカラス』は私も知らない作品でした。
結構面白い作品ですよ。
by Loby (2014-10-08 06:16)
宮沢賢治、実にやぼったいのですが妙に惹かれる世界ではあります。
by トモミ (2014-10-08 22:30)
>トモミさんもかなり宮沢賢治作品を読まれたようですね。
文学少女だったのかな?
by Loby (2014-10-11 01:21)
スペイン語版の『グスコー・ブドリの伝記』挿絵、現代的で興味をそそられます。宮崎アニメのようですね。
by アヨアン・イゴカー (2014-10-16 08:11)
>アヨアン・イゴカーさん、ご訪問&コメントありがとうございます。
本当に素敵な挿絵だと思います。
内容を読んでみたいものです。
by Loby (2014-10-16 22:22)