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今、時代劇が面白い! [日記]

 『のぼうの城』…

なんともヘンなタイトルの作品なので、大して面白くはないだろう…

と思いましたけど、動画サイトのランキングではかなり上位になっています。

結局、見てみることにしましたが、予想以上に面白いものでした。

(先入観をもって物事を判断すべきではありませんね…)

 原作は和田 竜氏による小説『忍ぶの城』で、2009年の本屋大賞第2位を獲得したというから

“な~るほど…”とうなづけます。


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物語は(すでにご存知のかたはスルーしてください)、豊臣秀吉が天下統一の最後の戦いとして、北条氏政を攻めるべく小田原征伐に出陣。

 

北条氏政は関東各地の支城の城主に籠城に参加するよう通達した。北条氏陣営の支城の一つであった忍城(おしじょう)城主の成田氏長は、北条氏に従うように見せかけ、裏で豊臣側への降伏を内通し、小田原での籠城作戦に参加していた。
秀吉から「武州・忍城を討ち、武功を立てよ」と命じらて出陣した、石田三成は成田氏長が既に降伏を決めているとは露知らず、戦を仕掛けんとする。城はすぐに落ちるはずだった。だが、軍使長束正家の傲慢な振る舞いに怒った総大将・成田長親は「戦」を選択した。当主・氏長より降伏を知らされていた重臣たちは、初め混乱するが覚悟を決め、かくて忍城戦は幕を開けた。
三成率いる2万超の軍勢に、農民らを含めても3千強の成田勢。総大将たる長親は、将に求められる武勇も智謀も持たない、その名の通りでくのぼうのような男。 この領民から「(でく)のぼうさま」と呼ばれる長親が、三成勢の意表を突く形で初戦で勝利を収めるが、それに対して水攻めを開始する…





というものですが、少数で大軍を相手に戦う、相手の裏をかく戦法、長親の奇抜な対応など、見るものをどんどん引きつけるストリー展開となっています。
この、小説としても映画としても面白いストリーが、当時の実話をもとに作られているというのだから驚きます。
好都合というべきか、今週のNHKの『歴史秘話ヒストリア』で忍城包囲戦のエピソードを取り上げていましたが、石田三成が水攻めで構築させた堤防の長さはなんと28キロにも達したというから驚異の大土木作戦です。


忍城水攻めの図 黄色い線が三成が作らせた堤防
忍城


NHKの番組では、石田堤は「一ヶ月かかって作られた」とありますが、Wikipediaでは「一週間で作られた」とあります。
規模から言っても一ヶ月くらいが適当ではないかと思いますけど、Wikipediaにはさらに「堤が完成した後、利根川・荒川の水を引き入れたが、城にはあまり水が溜まらなかった。その後、増水したため、堤が決壊して石田方に多数の溺死者が出て、水攻めは失敗に終わった。」となっています。このあたりが真実っぽいですね。

なお、父であった城代家老・成田泰季が開戦直前に亡くなったことで後を継いで城代となり、石田三成軍と戦うことを決心した成田長親は愚鈍な人物と思われていますが、実は非常に誇り高く、民百姓とも分け隔てなく接することのできる度量の広い人物でもあったそうです。

【注】Wikipeiaには当時の書状の中で三成は忍城水攻めを批判しており、またこの時点では一介の奉行でしかなかった三成の身分からしても、独断でこれだけの規模の水攻めを行えたかは疑問である。また、包囲に加わった浅野長政にも秀吉から水攻めを続行するようにとの命令が届き、士気が下がる事この上なかった、と浅野家文書に記されている。 と記述されていることも興味深いです。


      





 NHKの時代劇ドラマは定評のあるところですが、

 (『平清盛』のように尻すぼみで急激に面白さを失って行ったドラマもありましたけど…)、

今、『妻はくノ一』が面白いですね。
 
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このドラマ、原作は、風野真知雄による時代小説のシリーズで、2008年から2011年にかけて書き下ろしで全10巻が刊行(角川文庫)され、今年からは新章「蛇之巻」が開始されているとか。
シリーズの累計発行部数は100万部を超えているというベストセラー。TVドラマでも人気が出るはずです。
残念なのは、ドラマの方は8回で終了する予定となっていること。
このような面白いドラマなら、大河ドラマ、もしくは朝ドラなどで長く放送してほしい。


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ドラマの方は、市川染五郎が主役の雙星 彦馬(ふたぼし ひこま)を演じ、その妻役・織江(おりえ)を瀧本美織が演じているが、市川染五郎はさすがとうならせる演技を披露しているが、予想外に素晴らしい演技を見せてるのが瀧本美織です。




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あらすじ

平戸藩の御船手方(おふなてかた)書物天文係の雙星彦馬(ふたぼし ひこま)は三度の飯より星が好きで、先祖伝来の田畑を売ってまで望遠鏡を手に入れた、藩内きっての変わり者だった。そんな彦馬の下に、上司の紹介で美しい妻・織江(おりえ)が嫁いでくる。彼女を一生涯大切にしようと心に誓う彦馬だったが、幸せな生活は織江の失踪によってわずか1か月で終わってしまう。織江は平戸藩の密貿易疑惑を探る幕府の密偵だったのではないかとの情報が寄せられながらも、もう一度織江に会いたいと強く願う彦馬は隠居し、商家の養子となり江戸店を取り仕切っている親友を頼って江戸で暮らし始める。
星好きで変わり者とされていた彦馬だったが、鎖国を解き国を開きたいとの開明的な思想を持つ元平戸藩主の松浦静山(まつら せいざん)にその知識の広さを見込まれ、彦馬もまた静山の考えに同調していく。自身が経験したことや人から聞いた不思議な出来事や怪奇事件について『甲子夜話』という書物を執筆中の静山は、彦馬に謎解きを求めるようになり、広く深い知識を有する彦馬は、織江探しと並行して巷間に起こる謎を解いていく。
一方、織江もまた彦馬のことを忘れられずにいた。彦馬が江戸へ出てきたことを知った織江は、時に手助けをしながら密かに彦馬の暮らしを見守る。やがて平戸藩下屋敷への潜入に成功し、静山の密貿易と野心の証拠を掴んだ織江だったが、提出すれば彦馬の人生をも奪いかねず、妻の立場とくノ一の立場の間で葛藤する。母の後押しもあり、彦馬と生きる道を選び抜け忍となった織江の下へ、次々と刺客が送り込まれる...



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NHKの時代劇ドラマは、『大岡越前守』なども放映されており、これはこれで改善懲悪の痛快なドラマだが、やはり大人の見るドラマという観点から評価すると、“恋”を前面に出してドラマを展開する『妻はくノ一』の方が圧倒的に面白いですね。

 

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今日もご訪問有難うございます♪

 

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あしあと 90

コメント 15

なんだかなぁ〜。横 濱男です。

やはり、観ている人をどうやってスクリーンの中に引き込むかですね。
面白い映画は、自分もスクリーンの中に引きずり込まれてしまいます。
by なんだかなぁ〜。横 濱男です。 (2013-05-17 07:12) 

駅員3

最近テレビはニュースしか見ないので、どんなドラマをやっているのか全く知りませんでした。
でも、これはみたくなりました。
by 駅員3 (2013-05-17 07:15) 

ちょんまげ侍金四郎

のぼうの城は,私も見ました。
絶対的不利な状況でも、個性ある家臣はやる気満々!
また、のぼう様の武士も百姓も関係ないという接し方もいいですね。
by ちょんまげ侍金四郎 (2013-05-17 07:55) 

Silvermac

忍城は石田三成が水攻めにした城でしたね。
by Silvermac (2013-05-17 08:13) 

たもぎ

確かに・・時代劇おもしろいですね・・(^^)
それに比べ・・現代劇の魅力の無いこと・・(-_-;)
by たもぎ (2013-05-17 11:33) 

じみぃ

お久しぶりです。
妻はくノ一、1回目を見て面白く、以降録画していたはずが、今日見たらすべて消えてた…どうも操作ミスったみたいで (T.T)
by じみぃ (2013-05-17 12:35) 

チングルマ

なんか 面白そうですね。
時代劇、好きですよ。
by チングルマ (2013-05-17 14:25) 

ackylacky

小説を読みました。面白かったです。
 石田光成は武将としては能力無かったようですね。特に攻めなくても落ちそうな状況なのに、なぜあのような大掛かりな水攻めをしたのか?
自分の経歴を飾る為にたいした事も無い事で大騒ぎをする人は、現代でもよく見かけます。
 どちらにせよ、この敗戦が関が原の際の信用のなさにつながっている様に思えます。
by ackylacky (2013-05-17 16:55) 

青い鳥

「のぼうの城」は見ていませんが、「妻はくノ一」は見ています。
惹きつけられますね。
by 青い鳥 (2013-05-17 17:06) 

Loby

>なんだかなぁ〜。横 濱男ですさん、おっしゃるとおりですね。
 やはり、面白い映画やドラマは時間の経つのを忘れさせるほどの魅力がありますね^^b

>駅員3さんはいつもご多忙ですので、ドラマなど見ている暇ありませんね… でも、映画はDVDやBRで見れますのでレンタルででも見てくださいね。

>ちょんまげ侍金四郎さんは映画を見られたのですね!
 あの、のぼう様はアホみたいな外見とは違い、かなり優れた人物だったようですね^^b

>Silvermacさん、その通りですが、事実は秀吉が水攻めを指示したようです。

>たもぎさん、まったくおっしゃるとおりです。
 現代劇は、よほどしっかりした作品でないと面白くありません。
 制作費が安いので低レベルのものを大量生産するのでしょうね。

>じみぃさん、お久しぶりです。
 ありゃりゃ… せっかく録画された(筈?)のものが操作ミスで録画されてなかったのですか? それは残念!

>チングルマさん、時代劇面白いですね!
 若い人はあまり見てないかも知れないけど、けっこうハマりますよね^^b

>ackylackyさんは小説をお読みになられたのですか?
 小説は映画では表現し切れないデイティールが書かれているので、映画よりもいいですね。
 たしかに三成は経済には強かったようですが、武将としての能力には欠けていたようです。 なぜ、あんなちっぽけな砦のような忍城に水攻めをしたか… これは、NHKの歴史秘話でも説明していましたけど、まだ秀吉を見くびっていた東国の武将たちに、力を誇示する目的があったそうです。実際、あれだけの巨大土木事業を短期間で行うというのは誰にでもできることではなく、忍城降伏以降、東国の武将たちは押しなべて秀吉に従っています。

>青い鳥さんも『妻はくノ一』をご覧になっているのですね。
 『のぼうの城』もたいへん内容のある作品ですよ。

by Loby (2013-05-17 22:30) 

nana_hyr

Lobyさん、ご無沙汰しております!
のぼうの城、わたしも観ました。
愛されるということはどういうことなのか、人が動く時の原理を考えさせられました。
もう一度観ても、魅せられる映画だと思います。

お祝いコメントありがとうございました!
ようやく3ヶ月になろうとしています。
笑うようになりました、親ばかまっしぐら〜(*´∀`*)
第一王女のナナは拗ねモードですが、ベビーが寝ている時にはそそくさと甘えに来てます!
ちゃんと、甘えられる状態になるまではじっと待っていてくれているので愛くるしいです。
by nana_hyr (2013-05-17 22:34) 

Loby

>nana_hyrさん、お久しぶりです。
 お子さん、すくすくとお元気に育っているようですね^^b
 早くも3ヶ月ですか。もう笑うようになったとは…
 パパもママも微笑みが絶えないことでしょう♪

 のぼうの城、ご覧になったのですね!
 たいへん素晴らしい、人間味を感じさせる作品で、私も感銘しました。
 
by Loby (2013-05-18 21:42) 

kuwachan

こんばんは。
最近は民放の時代劇がどんどんなくなっているので
NHKの時代劇が余計に目立ちますね。
by kuwachan (2013-05-19 00:44) 

ちゃーちゃん

こんばんは!!
余りTVの時代劇を見ないのでLobyさんの記事を後でゆっくり
読ませて頂きますね。地球の裏側でも某TVは放映されている
のですね..,そうそう、今は朝ドラの『あまちゃん』を見ています。

by ちゃーちゃん (2013-05-19 01:33) 

Loby

>kuwachanさん、こんばんは。
 そうらしいですね。時代劇は制作費が高いそうなので、廉価な現代ドラマにしているのでしょうけど、いくら商業(採算性)だと言っても、さびしいですね。

>ちゃーちゃんさん、こんばんは!!
 NHKだけは、ワールドプレミアで見れるのですよ。
 NHKの時代劇ドラマは見応えがありますね♪
 『あまちゃん』もたいへんおもしろいですね。
 うちの奥さんも大ファンです。

by Loby (2013-05-20 21:56) 

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