パット・ノ・ツクピー料理 [美味しいブラジル料理]
距離的に見て、ブラジルは日本から一番遠い国のようです。
ちなみに成田空港からニューヨークまでの飛行時間は約12時間程度ですが、これがブラジルになるとなんと25時間と倍以上かかってしまいます。
ブラジルへのフライトは、ヨーロッパ経由を別とすればほとんどがロスアンゼルス経由のようで、東京からロスまで10時間、それからリオデジャネイロまで10数時間で合計20数時間となるわけです。
時間がかかり、距離が増大するにつれて航空運賃も比例的に増加するため、米国あたりへは「ちょっとアメリカまで」と気軽に旅行する日本人は多いけど、「ちょっとブラジルまで」と言って、こちらまで来る日本人は極端に少なく、そんなことを友人や家族に言ったら、
「えっ、あんなところに何をしに行くのォ?」
とまず最初に聞かれ、
次に
「ワニやピラニアに気をつけてね...」
とまるで未開地に行くように気の毒がられるかもしれません
参考までに、ワニはパンタナール(ブラジル中央部の大湿地地帯)などでしか見られないし、魚のピラニアはアマゾンあたりの川で水浴しても普通の人間は噛みつかれることはないそうです
それよりも気をつけなければいけないのは、夜の歓楽街でみかけるピラニア(コー◯ガールの異名)です。
観光地によっては残念なことに未成年者がこんな商売をやっているところもあるので、こんな未成年とコトをして警察に捕まったらブタ箱(刑務所)に入れられます
まあ、これは冗談半分忠告半分として、ブラジルでは、2014年にワールドカップ、さらに2016年にはリオデジャネイロ・オリンピックなどが開催されるので、多くの日本人がこれらのビッグイベント見物&観光に来ると予想されますが、とくに男性諸氏は、夜のアドベンチャーはつつしんだ方が身のためです。(ひょっとしたら、ブログで知り合った方などとも会える機会があるかも知れませんね?)
さて、ワニ&ピラニアは大げさすぎるとして、ブラジル観光に来られる方は、そのほとんどがリオデジャネイロ市→イグアスーの滝→サンパウロ市の三ヶ所だけを観て帰る人が多いようです。
たしかにリオデジャネイロは世界三大美港の一つであるし、イグアスーの滝はかのルーズベルト大統領夫人が”ナイアガラよりも素晴らしい”と賞賛したように、一見に値する素晴らしい世界最大の滝ですし、サンパウロは... (たいして観るところないようですけど、まあいいでしょう)東京並みの大都会だし、この観光コースはそれなりにブラジル観光の見所をしっかり見れるのですけど、せっかく地球を半周し、20数時間エコノミークラスのせまいシートにおしりを押し込んでブラジルまで来られるのなら、あと3時間半ほどまたエコノミークラスのシートで我慢していただいて、北の都「ベレーン(Belem)」まで行かれることをLobyはお勧めします。
ベレーン市 ヒルトン・ホテル前の大通りを下ると有名な観光スポット「ドッカス」がある
Lobyに言わせると、”ベレーンを見ないでブラジルを知っていると言うなかれ”です。
パラー州の州都であるベレーンは、その昔、ゴムの黄金時代だったころにたいへん栄えた都です。
ベレーンの市立劇場”テアトロ・ダパース”(Teatro da Paz)は、そのゴム黄金時代であった17世紀後半に建設されたもので、イタリア、ミラノのスカラ座劇場をモデルとして設計されたそうですが、資材、内装などほとんどがヨーロッパから輸入されたものが使われており、その豪華さは目を見張るほどです。また、当時はヨーロッパから一流のアーチストやシンガーを招待し、夜な夜な当地の富豪紳士淑女で満員の中、華麗ショーが繰りひりげられていたとか...
ベレーンの市立劇場 Teatro da Paz(サイトより)
Lobyは仕事でベレーンに数回行ったことがありますが、「ベレーン観光スポットNo1」は、ベレーンっ子にドッカス(Docas)と呼ばれている、エスタソン・ドッカスです。
ドッカスの中は適度にクーラーが利いているので、日中の暑い時に行っても大丈夫ですが、やはりベストな時間は夕方から夜にかけてでしょう。
この時間になると、仕事を終えた人たちや、日中はホテルにとじこもっていた観光客などが夕涼み&夕食をかねてドッカスへやって来るからです(つまり、美男美女に会える確立も増えるということですね)。
ドッカスでのLobyのお勧め
パラー産フルーツを使ったアイスクリーム店
クプアスー、バクリー、アサイーなどの熱帯フルーツ入りのアイスクリームは大好評です。
地元ビール「CERPA」の生を飲めるビアガーデン
ブラジルでもっともうまいビールの一つであるCERPA
郷土料理レストランで食べるパット・ノ・ツクピー
アヒルとジャンブーという野菜をツクピー・ソース(タピオカからとれる汁)で煮込んだもの。(後述します)
夜になるとドッカスの中を、昔の移動式クレーンを利用したゴンドラに乗った音楽バンドが生の演奏を聴かせてくれるのも楽しみの一つです。
でも、クーラーも生演奏もないけど、ドッカスでのもっともベリーグーな楽しみ方は、夕方から夜にかけてパラー川から吹き寄せる涼風を感じながら、岸辺のチェアにすわり「パット・ノ・ツクピー」を肴に思いっきり冷えたCERPAビールを飲みことだと思います。
川風を心地よく感じながら食事をするのはオツです
ベレーン案内
ここで少しベレーンの街を紹介しますね。
リオデジャネイロあたりの荒廃した古い建物とは比較にならないほどよく保存されているベレーンの旧市街の建物。このように立派な建物は官庁です(だからよく保存されている?)
同じく官庁の建物
海軍の建物?
商店が並んでいる通り
ベル・オ・ペーゾ市場あたりから見た旧市街
植民地時代にベレーンの港を侵略者の攻撃から守るために作られたプレゼピオ要塞。
侵略者といっても海賊などではなく、フランスやオランダなどの軍隊による侵略です。昔はそういう侵略&占領があったのです。ところによっては、ポルトガル軍が努力して追い出すまで数年間も外国軍に占領された町もありました。強いものが弱いものを武力で威圧し、利益を享受するという方式は昔も今も変わっていませんね...
要塞に並んでいる大砲
要塞から見えるベル・オ・ペーゾ市場
ベル・オ・ペーゾ市場の方に向けられた大砲
パット・ノ・ツクピー料理
パット・ノ・ツクピー(PATO NO TUCUPÍ)とは、ツクピーソースで煮たアヒル料理です。
なんでも、ツクピーソースはブラジルの先住民、インディオが生み出したものだそうです。
当然のことながらパット・ノ・ツクピーもインディオ料理ということになります(^∇^)
ツクピー・ソースはマンジオッカ芋(キャッサバ芋)からでんぷんを精製する過程で生じる黄色い汁ですが、このマンジオッカ芋は、普通、ブラジル南部あたりで食するマンジオッカと違ってマンジオッカ・ブラーボは青酸系の猛毒があるのです...
これをインディオは、摩りおろして煮ることで毒を完全に抜くことができることを発見。そのとき出来る煮汁(ツクピー)を煮物料理に使うと特有の味になることを見つけました。
やはり、先人の知恵ってすごいですね。
パット・ノ・ツクピーのオリジナル、つまりインディオが食していたのは野生の鴨(カモ)を焼いたものをツクピーで煮て作っていたらしいですが、現在はアヒルで代用しています。
アヒルを一晩かけて油、塩、玉ねぎ、にんにくなどで下味をつけ、オーブンでたれをかけながらこんがり焼き上げ、適当な大きさに切り分けてジャンブーという、これもブラジル北部に自生するキク科の植物と一緒にたっぷりのツクピー・スープでくつくつ煮込めば完成ですが、このパット・ノ・ツクピーをたっぷりお皿にとり、これにライス(米)とファロッファ(マンジオッカ芋を摩りおろした粉をバター、にんにくなどと一緒に炒めたもの)と一緒に食べます。
ジャンブー菜
アヒルと一緒に煮るジャンブーという野菜は、麻酔効果のあるクレソン野菜の一種だそうで、口に入れて噛むと口中が痺れてきます
そして…
「パット・ノ・ツクピー」をお皿に分ける時には、忘れずにピメンタ・デ・シェイロ(Pimenta de Cheiro=”香ばしい唐辛子)とよばれるペッパーソースをたらさなければいけません。
ピメンタ・デ・シェイロは、アマゾン特有の唐辛子で、この唐辛子は淡い黄色をした小粒(丸い形)
なのですが、その辛さといったら、赤唐辛子の数倍ではないかと思います。書いているだけで顔に汗が出てきました。これを好みの量(たっぷり)入れて、汗
をかきながら食べるのです。
ピメンタ・デ・シェイロ
これが「パット・ノ・ツクピー」料理を食べるときのしきたりなのです
香ばしいアヒルの肉とツクピー・ソースの旨味。それにジャンブーで痺れ、ピメンタ・デ・シェイロでひりひりする口の中と舌... これらの作用をCERPAビールで中和しながら食べ続け、飲み続けるのです。
あ、もちろんお友達との会話も楽しくつづけましょう。 これぞ生きることの醍醐味です!
みたいですね。空路で24時間、待ち合わせ時間を入れると
30時間を超すらしいので生半可な気持ちで向かう事は出来ません。
と、日本で活躍するブラジル人女性がテレビ番組を通して
言っていました。ではまた、
ありがとうございました。
by PopLife (2013-05-21 15:34)
ベレーン市の様子やエスタソン・ドッカス、
またブラジル料理のパット・ノ・ツクピー等のご紹介、有難うございます。
Loby様のブログがあったからこそ知ることが出来ました。
パット・ノ・ツクピーの食べ方を拝見する限り、私にはとても食べられそうにありませんが。
by 青い鳥 (2013-05-21 19:17)
ブラジル、確かに遠いですね。
日本の裏側ですからね。直行便があれば便利ですけど、
燃料が持たないですよね。
by なんだかなぁ〜。横 濱男です。 (2013-05-21 20:50)
ブラジルは、ビッグイベントが続きますね。
by Silvermac (2013-05-21 21:06)
>PopLifeさん、おそらく日本からもっとも遠い地域の一つだと思います。
それでもワールドカップやオリンピックには、たくさんんの日本人観光客が訪れることでしょう。
>青い鳥さん、あはは。パット・ノ・ツクピーは胡椒を入れると辛いですけど、入れないか、もしくは少量だと大丈夫だと思いますよ。
たいへん美味ですので、もし、ブラジルに来られる機会がありましたら、是非、お試しして欲しいです。
>なんだかなぁ〜。横 濱男ですさん、飛行時間だけで24時間なので、おそらくもっとも遠い国の一つだと思います。
>Silvermacさん、そうですね。ここに至ってようやくブラジルにも注目が集まりそうです。
by Loby (2013-05-21 21:45)
すばらしいところですね、 チョット足のばしてじゃ無くて、
数泊したくなりますね、 でも日本からは遠すぎです。
by himanaoyaji (2013-05-22 06:36)
確かに一番遠い国ではありますが、アマチュア無線でいとも簡単に繋がってしまうのも事実です・・・ちょっとコツはありますが(^^)
そういう意味では、地球は狭い・・・とも考えられますね。
by 駅員3 (2013-05-22 07:34)
こんにちは。
確かに、ちょっとやそっとで行けない感じがします。
直行便があったら簡単ですが、トランジットをしなければ
辿りつけないとなるとすっごく遠いというイメージがしてしまいます。
でも、Lobyさんのブログに出会ったおかげで
ブラジルを凄く身近に感じるようになりましたよ^^
by kuwachan (2013-05-22 12:29)
それでもブラジル、行ってみたいです。
今回の記事を見ても、そう思いますよ。
出来れば、ブラジルのあとはヨーロッパかアフリカ経由で世界一周を。
あ、その時はビジネスクラスだと良いなあ。
by ナツパパ (2013-05-22 15:09)
>himanaoyajiさん、たいへん素晴らしいところですよ。
もし、ブラジルに来る機会がありましたら、是非ベレーンを訪問して見てください♪
>駅員3さん、無線やインターネットではすぐにコンタクトできますね。
しかし、聞くと見るでは天地雲泥の差があります。
機会があれば、是非一度訪問して頂きたいですね。
>kuwachanさん、こんにちは。
”近くて遠い国…”という言葉がぴったりするのが南米の国々でしょうね。
ここ数年内にビッグスポーツイベントがブラジルであり、その機会に初めてブラジルを訪れる方も多いと思いますが、それによってブラジルファンが増えることを期待しています。
>ナツパパさんあたりが、もっともブラジルに来やすい感じですね^^b
ブラジル訪問のあとはヨーロッパやアフリカ… それもグッドアイデアですね。 近い将来、お会い出来ればいいですね♪
by Loby (2013-05-23 08:27)
こんばんは!!
ブラジルと聞くと「移民。開拓団」今は「サンバ」というイメージが強いです。2年前と3年前に息子がTVのロケで確かブラジルに行きましたよ。
私には遠い國ですが、こうしてLobyサンとブログを通じて、色んな事を
知る事が出来て楽しいです...Lobyさんは日本に帰った事が有りますか?
オリンピックが有るのですね...日本からも行く人が増えるのでしょうか??
by ちゃーちゃん (2013-05-25 23:44)