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災難-命あってのものだね [日記]

今日は労働感謝の日で休日です。
明日は金曜でLobyは仕事をしますけど、つないで連休にする会社も多いようです(^^;
でも、せっかくの休日&連休なのにサン・ペドロ(ブラジルで天気を左右するとされている神様〔聖人?〕)はサラリーマンのバカンスを楽しませてくれないようで気温は昨日から下がり、外は曇り空でかなり寒い。。。
だけど寒いのはLobyの心も同じです。
というのは、一昨日、会社からの帰途とんだ災難に遭ったからです。

その日は雨が降っていたので、最近は電車で帰ることが多かったのですが、久しぶりに直行バスで帰ることにしたのです。 会社の近くにあるメトロ(地下鉄)駅でメトロに乗ってチエテ駅(チエテ・バスターミナルがある駅)に向かう途中に電車に乗り換えれるルース駅があり、そこで降りる人たちのほとんどが電車に乗り換えるわけですが、「電車でも時々強盗があるからな…」などと考えていました。
あとで考えたら、これは“虫の予感”とでも言うべきものだったのでしょう。チエテ駅に着いて、直行バスの切符を買いましたが、「何時発のバスがありますか?」と聞くと「8時40分発があります」と切符販売係りの女性が答えました。
時計を見ると8時半。 急いで発着場まで行き、すぐに来たバスに乗り込みました。
シートは6番。
前から2列目の通路側のシートで、あとから続々乗り込んできた人たちは前や後ろの方のシートにめいめい座り、Lobyの横のシートには誰も座らないので、鞄を置き、頭上にあるライトを点けて最近本屋さんで買ったばかりの本を読み始めました。 

バスには30人ほど乗っていたでしょうか。
サンパウロ市内を抜けて、アイルトン・セナ高速道路に出てしばらくした時、一人の若い男が後方から通路を歩いてきて運転手のそばに行き、突然、「そのまま、そのまま走り続けろ!」と命令口調で言いました。
「?」 様子がちょっとおかしいので本から目を離し、その男を見るとなんと手にピストル!
それと同時に後ろの方から
「誰も騒ぐな!」と別のギャングの声。
ついで「さっさとサイフと携帯電話を出せ!」と言いながら、後方から順に乗客から金目のものを取り上げはじめました。
ギャングは3人で、前と後ろに一人ずついてバスの中を監視し、一人が金目のものを集めて回るという方法をとっているようで、こんなことは何回もやって慣れているようでした。

Lobyはサイフから100レアルを抜き出し、サイフと携帯電話はシートの隙間に隠しました。
そのうち、ギャングはLobyのそばに来て
「みんな出せ!」と言ったので、100レアルを彼が手にもっていたバッグの中に入れました。
そのギャングがまた後部のほうに行ったあと、サイフと携帯電話をもっとよく隠そうとしたのがよくなかったのでしょう、運転手のそばにいたギャングが目ざとくLobyの挙動を見て、
「そこのジャポネース、何を隠しているんだ! おい、そいつを見ろ、何かを隠しているぞ!」と後ろにいたギャングに伝えました。 
運悪く、Lobyは読書のためにライトを点けていたので、一挙一動がギャングからよく見えたのです(ーー;)

後ろの方から浅黒い肌色のギャングが来て、Lobyの頭にピストルを突きつけ、
「ジャポネース、何を隠しているんだ!そんなに死にたいのか!」と威嚇しました。
「さっさと出せ!」と強盗。
「もう、さっきみんな渡したよ」
「お前死にたいんだな!だったら殺してやる」
「それだけは止めてくれ」

そのギャングは後ろの方へ行き、しばらくしてもどってきて、その時、運悪くシートの間に隠していたサイフと携帯電話を見つけられました。
ギャングはいきり立ち、Lobyの頭にピストルをつきつけ、しきりに「殺してやる」と繰り返しました。
そして腕時計、結婚指輪まで取り上げ、
「もっと金目のもの隠しているんだろう!」と言い、Lobyのスーツやズボンのポケットを調べました。
鞄を見て、「中に何が入っているんだ?開けろ!」と言ったので
「なにも金目のものはいってないよ」といい、開けて本や傘しかないこと見せました。
それでも鞄を取り上げて中を調べながら後部へ行きました。
そのあと再び戻ってきてまたLobyを脅かしました。
不思議なことにそんなに脅かされてもLobyは別に取り乱したりはしなかった。
ただ、こんなことで死にたくはないと思っていただけです…

しばらくすると、運転手にバスを止めるように命令し、さっさと降りて闇の中に姿をくらましました。 強盗がアクションを起こして終わるまでわずか20分くらいしかかからなかったでしょう。
バスは悪魔のような連中から一刻も早く逃れるようにすぐ発進し、そこから数キロのところにあるガソリンスタンドに入り、そこで警察に電話。 うまく携帯電話を隠した人もかなりいたようで、それぞれ家族などに電話をしていました。
そこで警察が来るのを待っていたのですが、なかなか来ない。
もちろんギャングを追跡し、逮捕したなんてことは天地が逆になっても起こりえません。
その時になって、バスの乗客の中に3人の警察官がいたことがわかりました。
みんな私服で帰る途中だったようですが、その中の一人は連邦警察官だそうです。
彼らが強盗に対してリアクションしなかったのは上出来で、へんに反撃などしようものなら狭いバスの中での銃撃戦は死傷者だらけの結果となります。
彼らが所持しているピストルなどを取り上げられたかどうかは知りませんし、ギャングの連中が彼らが警察官であることを知っていたかどうかも知りません。
ふつう、ギャングなどがどうようなケースで警察官を見つけた場合、いつも警察に追われたり、仲間が射殺されたりしていることの仕返しの意味で警察官を殺す場合が多いのです。

「こんなところにいて、いつ来るかわからない警察を待っていてもしかたないよ。起こることは起こったんだから、もう早くM市(バスの目的地)に帰ろう」という乗客の声が多数で、運転手もそれらの意見に従いバスを発進させ、20分ほどしてM市に着きました。 不幸中の幸いか、強盗たちはLobyの鞄をもって行かなかったし、鞄の物入れに入れていたシトロエンのキーも取られなかったので、駐車場に止めてあったC3に乗り生きて家に帰り着くことが出来ました。
そのころになって、ようやく際どい(命をなくす)ところだった、という思いが思考を占領はじめ、血圧が上がりつつあるのがわかりました。
Lobyは血圧の方は普通なのですが、事件のあと、ぼんのくぼ(後頭部)あたりが重くなりはじめたので、血圧が上がったのだろうと感じていたのです。 ちなみにLobyの奥さんは高血圧でいつも薬を飲んでいるし、血圧が上がったら頭が痛くなったり、ぼんのうくぼあたりが重くなったりするということも奥さんから習ったことなのです。

帰ってすぐ、血圧を奥さんに測ってもらったら最高が150になっていました(-o-;

あしあと(2)  コメント(4) 
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あしあと 2

コメント 4

cafetres

lobbyさん
お久しぶりです!
と言うよりも、恐ろしい経験されたんですね。
や〜、自分が生まれ育った国とは言え、毎回恐怖感を覚えますね。
日本の生活に慣れると、帰るのも凄く不安になるし、はっきり言って怖いのです。
でも、無事にご帰宅できたので本当に良かったです。
今後も気をつけて下さいね。


by cafetres (2008-05-05 20:38) 

Krause

大変でしたね。刃物や銃はたちがわるいので、無抵抗がベストですよね。
by Krause (2008-05-10 17:06) 

Loby

cafetresさん、Krauseさん、どうもありがとうございます。
ようやくトラウマも少しずつ軽くなりつつあるようです。
by Loby (2008-05-15 22:16) 

たえり

こんにちはLobbyさん。大変なことで、驚きました。でもほんとうに何よりお怪我もなくご無事で何より。奥様もさぞ心配されたことでしょうね。
なかなか記憶からすべてを消すことは難しいと思いますが、二度とこんなことがありませんようお祈りします。

by たえり (2008-05-27 02:49) 

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