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ブラジル雑学 その4 スシ&サシミ [ブラジル雑学]

  アメリカでは、日本食がずいぶん前からかなり人気だそうだが、ブラジルでも近年、日本食が大変なブームとなっている。 リオ・デ・ジャネイロ市でも、都心のオフィス街にある日本料理レストランは、昼食時にはブラジル人でいっぱいになるし、週末ともなれば家族連れで同じようににぎわう。
中には(最近の日本人顔負けに)上手に箸を使って寿司、刺身を食べるブラジル人も多い。

 ただ、(日本でも同じだそうだが)やはり寿司、刺身は高いので、誰でも簡単に食べれるというものではない。だいたい、日本食は普通のブラジル食の昼食の倍はするので、やはり、ある程度の収入をもらっている、サラリーマンとかOL(こんな言葉、日本ではまだ使っていますか?)なんかでない限りとても食べられない高級食である。
 こちらの日本料理レストランの中には、イワシとレタスを使った(?)ヘンテコな寿司を食べさせるところもあるそうだが、そんなのは例外で、ほとんどの日本料理レストランは、ちゃんとした寿司&刺身を食べさせてくれる。

 ブラジルの日本料理で面白いのは、こちらは寿司職人は、ほとんどブラジルの東北出身のブラジル人であるということだ。東北は工業も発達しておらず、メーン産業(?)は農業だが、その農業もここ数十年旱魃が続いているせいで、さっぱりである。収入が少ない(実際にはほとんどない)ということは、即、三度の食事にも事欠くということで、東北地方はブラジルでもっとも子供の(栄養失調による)死亡率が高いことでも知られている。「“栄養失調”と言う言葉は、正確には“餓死”と書くべきである」と厳しく指摘する識者もおり、 まったくもって、ひどい状況である。この東北地方の問題は、おどろくなかれ、かれこれ200年くらい続いているそうだ。

話しの本題に戻って、なぜ、それでは東北地方出身者に寿司職人が多いかというのは、一つには、やはり先に述べた、経済的理由で東北人が南部の都会に出稼ぎに来るということがあげられると思う。それと、もう一つは、東北の人は(日本の東北の人のように)辛抱強く、我慢強いからではないかと思う。それは、長年にわたり、旱魃等で食うものも食わず生きてきた人間が身につけたサバイバル術であろうか。 人によっては、東北人は手先が器用だから、という人もいるが、私はそうは思わない。また、私は直接、寿司職人と話したことはないのだが、寿司職人というのは、かなりの重労働だと考える。それともう一つ理由をあげるとすれば、東北人は十分な教育を受けられない(貧困の)ため、十分な教育なしでもかなり高給をもらえる職業として寿司職人になるのではないか。南部の方で生まれ育った者は、比較的かなりのレベルの教育を受けることから他の職業に就く機会が多いのだと思う。

というわけで、都会のブラジル人サラリーマン&OLは、東北出身のスシマンが握る寿司を毎日舌鼓をうちながら食べているというわけである。


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funabin

このお寿司、昨日旧盆で来客三件有った時に取ったお寿司より本格的で美味そうですよ(^^ゞ
by funabin (2006-08-16 11:11) 

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