わが少年時代はマンガだらけ Part-1 [日記]
シニアエイジといえど、Lobyはマンガが好きです。
というか、シニアエイジだからマンガが好きなのか
まあ、”団塊世代”と呼ばれる世代の人たちは、マンガ全盛期を少年時代として生きてきたわけですから、
マンガが好きなのは当然。(Lobyは団塊世代からちょっと遅れて生まれているのですけど、範疇にいれておきます)
ということで、今日はノスタルジーにたっぷり浸かって、昭和の漫画を振り返ってみます。
少年漫画誌編
月刊誌が主流だった昭和中期。
Lobyの父が購入してくれていたのは少年雑誌『少年』でした。(左の表紙、なつかしいです)
漫画界の”大御所”、横山光輝(1934年 - 2004年)も人気ありましたね。
横山光輝は、その後、「三国志」や「水滸伝」などの中国モノ作品でもたいへん注目を浴びました。
痛快な中国伝記の「水滸伝」
漫画月刊誌『少年』とならんで、人気があったのが『少年画報』と『冒険王』。
『少年画報』には、「まぼろし探偵」(桑田次郎)、「マグマ大使」(手塚治虫)などの連載が。
「バットマン」がすごいブームの時期だったので表紙もこの通り。
『冒険王』の方は、「宇宙戦艦ヤマト」(松本零士)、「仮面ライダー」(石森章太郎)などが。
「サイボーグ009」(石森章太郎)も連載されていたのにはビックリ!
「サイボーグ009」について調べてみたところ、1964年に『週刊少年キング』で連載開始。
その後、『週刊少年マガジン』、『月刊少年ジャンプ』、『COM』、『週刊少年サンデー』、『マンガ少年』、『少年ビッグコミック』、『SFアニメディア』など、複数の出版社、複数の雑誌で連載された。(Wikipediaより)だそうです。
道理で、『冒険王』にも掲載されていた
人気があった証拠ですね。
松本零士(1938年 -)の「宇宙戦艦ヤマト」は、『冒険王』にわずか六ヶ月
(1974年11月号から1975年4月号まで)だけしか連載されませんでしたけど、
漫画と同時期(1975年)にスタートしたアニメで人気に火がつきました。
アニメは、シリーズ、劇場版など次々に制作され、2014年の『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』まで
連綿として続いている人気シリーズです。
松本零士(最初は松本あきらと呼ばれていた)といえば、もうひとつ忘れてはならない名作が
『銀河鉄道999』ですね。
1977年から1981年にかけて、「少年キング」に連載されたこの作品もアニメ化で大ヒットしました。
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に強い印象を受けているこの作品は、
モーリス・メーテルリンクの『青い鳥』からもヒントを得ながら、独自のストリーで展開し、
おりからの鉄道ブームとも相まったようで、人気シリーズとなりました。
『宇宙戦艦ヤマト』とならんで、松本零士さんの代表作の一つです。
銀河鉄道999の座席に座るメーテル。
こういうシーンは、宮沢賢治の作品の場面をほうふつとさせる。
松本零士は宇宙を舞台とした作品が好きなようですが、”生命”というテーマに迫る作品もあります。
カムイ伝で有名になる前の、白土三平(1932年- )の「サスケ」の連載が始まったのもこの頃。
白土三平といえば、「カムイ伝」、「カムイ外伝」、「忍者武芸帳」がたいへん有名です。
この記事を書いていて思ったのですが、「子連れ狼」を書いた小島剛夕((こじま ごうせき、1928年 - 2000年)のペンタッチって白土三平に似ているな~!」ということ。
”ひょっとして、小島剛夕は白土三平のアシスタントだったのかな?”と思い、調べたところ、やはり一時期アシスタントをしていたそうです。
しかし、しかし、
なんと、”白土の画風がそれまでの漫画的なものから劇画調のリアルなものへ変わるきっかけになったとも言われている”(Wikipediaより)とあり、もし、これが本当なら、師匠から伝授(習った)されたかも知れないけれど、師匠も大いに影響を受けたということですね。
1950年台後半に人気となった作品に、「まぼろし探偵」(桑田次郎。1935年 - ))がありますね。
「まぼろし探偵」はテレビ化(特撮)もされ、かなり人気がありました。
そして「エイトマン」。桑田次郎さんのペンタッチはとてもきれいです。
1963年にスタートした作品ですが、この作品の原作はSF作家の平井和正です。
意外と短命だった(掲載期間2年)ですが、この作品が作られた目的は、
「鉄腕アトム」に対抗する(ただしくは、「鉄腕アトム」を超えることを目標としていた)ために作られたとそうです。
う~む…
どの世界でもライバルを蹴落すためには、同じようなモノを出すのですねぇ…
エイトマンは「変身能力」、「加速性能」持つロボットという設定で、「鉄腕アトム」「鉄人28号」との
違いを打ち出したものですが、平井和正にとって漫画原作家としてのデビュー作ともなりました。
エイトマンはアニメ化もされ、漫画よりずっと美しいフォルムのヒーローが登場します。
桑田次郎(のちに桑田二郎と改名)40歳でマンガを書くのをやめていますが、
手塚治虫が病気になった時、「鉄腕アトム」の代筆をしたこともあったそうです(オドロキ!)
当時としては、少々異色ジャンルの作品、「パイロットエース」(のちのマッハGoGoGo)も結構面白かったです。
吉田竜夫さん(1932年-1977年)の作品ですが、「スピードレーサー」(米国映画2008年)の
オリジンともいえるこの作品、月刊誌『少年画報』に1962年から2年間掲載され、かなり面白かったのをおぼえています。
『ドラえもん』・『怪物くん』・『忍者ハットリくん』・『パーマン』・『オバケのQ太郎』・『プロゴルファー猿』・『笑ゥせぇるすまん』などで漫画&アニメファンを増やし、楽しませてくれた藤子・F・不二雄(藤本 弘。1933年ー)と藤子 不二雄Ⓐ(安孫子 素雄。1934年-)が、まだいっしょに仕事をしていたころの作品、「シルバークロス」も懐かしい作品です。
月刊誌「少年」で1960年~63年にかけて連載されたこの作品で、世界平和を守る秘密組織「十字警察」にスカウトされた主人公・黒須健二が、ベテランのブラック・クロスの指導のもと、悪党相手に大活躍をするというアクション漫画です。
この「シルバークロス」、50年以上年経った現在、ある雑誌社の無料漫画サイトで、「銀十字」というタイトルでリメイク版が連載されています。
石森章太郎(1938年 - 1998年)の「サイボーグ009」にもシビレましたね。
サイボーグなんて、(海外の)SF小説では取り上げられていたかも知れませんが、
漫画では初めてだったと思うし、なにより、”戦士”として取り上げたのが目新しかったですね。
石森章太郎は、いつごろからか石ノ森章太郎と名前を変えていますが、
石森章太郎という名前になじんだLobyは、ここではあえて旧名を使います…
「ゼロゼロ・シリーズ」といえば、「009ノ1」を忘れてはいけませんね。
これは、サイボーグではあるんですけど、なんともグラマーなお姉さんが主役。
このお姉さん、アサシン(暗殺者というか殺し屋?)で、色仕掛けで(男の)ターゲットを油断させ、
オッパイに仕込んだ機関銃でバリバリバリと殺っちゃうワケです。
この作品は実写版も出ていますね。
石森章太郎さんといえば…
1963年ころに、1年ほど創作活動を中止して海外旅行にでかけたんですよね。
そして、1年後に帰国して、漫画家活動を再開したわけですが、
帰国後の第一作をみて衝撃を受けました。
それまでは、なんというか、少々泥くさいようなペンタッチだったのが、
流麗でスマートなペンタッチ、とくにキャラクターのラインがスマートに大変化していたのです。
石森章太郎氏にとっても、あのときの海外(デザイン)修行は大きな収穫をもたらしたと思います。
(ちなみに、「サイボーグ009」は海外修行後の作品です)
石森章太郎の作品で強烈な印象を残したのが、「リュウの道」。
世界を巻き込む核戦争で人類文明が崩壊してしまったあとの世界にもどった宇宙船の唯一の生存者、
リュウが文明社会を求めて、ミュータントだらけの地球を放浪するというストリーですが、
こういう手のSFは好きだし、石森章太郎のペンタッチも(ストリーも)素晴らしいし、たいへんな秀作です。
アニメ化、映画化はされてないのが残念。
終末的SFといえば、石森章太郎は平井和正原作の「幻魔大戦」も書いていますね。
平井和正は、ウルフガイで有名ですが、幻魔大戦というエスパーものも書いているんですよね。
平井和正の作品は好きで、かなり揃えていたのですが、「幻魔大戦」も出だしはよかったけど、
次第にオカルトっぽくなってしまって…
それに、物語が完結しないし…
とうとう買うのをやめちゃった、という苦い思い出があります。
でも、平井和正と石森章太郎という二人の天才が創りだした
凄まじいほどの作品が「幻魔大戦」でした。
(漫画の方も尻切れトンボで終わっています)
石森章太郎は、これらのほかにも”ヘンシ~ン!”という言葉を日本中(世界中?)に広めた「仮面ライダー」シリーズもありますけど、どういうわけか、この作品はあまり読んでいません。
そうそう、石森章太郎といえば、”マンガ大量生産機”であったことで有名です。
おどろくなかれ、一ヶ月に600枚書き下ろしていたというから”人間業”ではありません。
また、その彼のアシスタントみたいな形で手伝っていたのが、「天才バカボン」などで人気になった
赤塚不二夫(1935年 - 2008年)だそうです。
たぶん、赤塚不二夫はまだあまり売れてなくて、
生活費を稼ぐために石森章太郎の手伝いをしていたのでしょうね…
ちなみに、石森章太郎のSF漫画は他の追従を許さないレベルのものですが、
彼自身、かなりなSF小説ファンで、海外のSF作品などを多く読み、自分の作品のアイデイアの糧としていたそうです。
「漫画の神様」と称された手塚治虫に対して、「漫画の帝王」と呼ばれた石森章太郎は
奇抜的、独創的なストリーで読者を魅了しましたが、神様である手塚治虫も彼の才能には
嫉妬を感じていたといいます。
空手極真流の創立者・大山倍達の格闘人生をフィクションまじりで描いた、「空手バカ一代」(原作:梶原一騎、画:つのだじろう・影丸譲也)は、大きな空手ブームを巻き起こしましたね。
つのだじろう(1936年 - )は、このあと「うしろの百太郎」などのオカルト作品に没頭することになります(お~怖)
この時代には、「巨人の星」(原作:梶原一騎、作画:川崎のぼる)も沸騰するような人気になりました。
星飛雄馬の父親・一徹による”スパルタ教育”がたいへん注目をあびましたね。
少々異色の漫画と言えば、「ワル」(作画:影丸譲也/原作:真樹日佐夫)がありますね。
この時代(1970年代初頭)の少年マガジンは人気マンガが多かったように感じるのはLobyだけでしょうか?
学生服の背中からスッと木刀をとり出す… このシーンがなんとなくカッコよかったですね。
影丸譲也(1940年 - 2012年)は4年前に亡くなっていますが、「ワル」は学園ハードボイルド」漫画の
元祖的な作品で、主人公・氷室洋二の冷酷さ、ニヒルさが人気の原因と思われます。
それに、そもそも日本では(昔は)任侠モノが好まれるという土壌もあって、追い風的に人気上昇した?
ワルシリーズは、 「 ワル」「ワル外伝」「ワルふたたび」「新書ワル」「ワル正伝」「ワル最終章」と続き、
映画も3本作られており、根強い人気があることがわかります。
異色さでひけをとらないのが楳図かずおですね。
彼の漫画読んで、夜トイレに行けなくなった人もいるのでは?
これも異色と言える漫画家に永井豪(1945年 - )がいます。
永井豪は、石森章太郎のアシスタントとして漫画を描き始め、最初はギャグ漫画を書いていたのが、
当時、赤塚不二夫から酷評されたのに発奮し、それまでのギャグ漫画にないものを、と
エロ・グロ・ナンセンスを取り入れ、ギャグ漫画界に新風を吹き込みました。
ギャグ漫画で漫画家としての足場を固めた永井豪は、本願であったストリー漫画に取り組み、
次々とヒット作を世に出すようになります。
「デビルマン」は、そんなストリー漫画の代表作と言われていますが、Loby的には「バイオレンスジャック」の方が、大きな衝撃を得ました。
こういう、”人間を(手足を切って首輪をつけて)家畜化する”という発想自体が絶句ものです。
永井豪は、ギャグモノもストリーモノ(とくにSFが多かった)もこなすマルチタイプの漫画家としても知られていますが、師匠・石森章太郎に習って、大量生産家であったことでも有名で、週刊誌5冊分もの連載を引き受けていた時期もあった(月産600枚以上?)というからオドロキます。
楳図かずおは少女マンガにも連載されていましたが、
私は怖くて読めないクチでした(笑)
これだけのラインナップの中、何か足りない!と思ったのは、
登場人物の力石のお葬式が執り行われたことで有名な
ちばてつやの「あしたのジョー」なのですが、
Lobyさんのお気に召さなかったのかしら?
by kuwachan (2016-06-20 09:41)
懐かしい漫画ばかりです。
子供の頃、「少年」を見てました。
友達は、「少年画報」でしたね。
その後、少年サンデー、少年マガジン、少年キングになっていきました。
よく購読したのは、少年サンデー、少年マガジンでした。
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2016-06-20 21:27)
>kuwachanさん、そうでしょうね~。
楳図かずおのマンガって、絵をみただけでも怖いですからね^^;
「ちばてつや」ですか?
私も好きな漫画家の一人ですよ。
Part-2で登場しますので、乞うご期待!
>なんだかなぁ〜!! 横 濱男さん、どうもありがとうございます。
どうやら同世代のようですね^^b
見ている少年雑誌が同じです♪
by Loby (2016-06-21 00:09)
懐かしい漫画がいっぱいですが知らないのもかなり有りましたね、
子供の頃貧しかった(今でもですけど)ので買ってもらえずに友達のを借りたり、病院なんかの待合室のを読んでましたね q(^_^)p
by himanaoyaji (2016-06-21 06:06)
スゴイ発想で描かれた作品ばかりですねぇ!。
現在の若い漫画家さんもビックリするような
ストーリーのを描きますが、なんか黎明期の
日本漫画って絵からみなぎる気迫が怖いくらいです☆!。
by すーさん (2016-06-21 06:14)
やっぱり ”火の鳥” かな~
by ちんぐるま (2016-06-21 07:24)
うわぁ 月刊誌少年なつかしいです。少年ジャンプは毎週購読です。
買い忘れると父親が買いにいった思い出があります。
「火の鳥」は親父の形見です。全巻保存してあります。ストーリーが
父にとって共感する事があったのでしょうね。
by SIBA-dog (2016-06-21 23:59)
小さい頃はあまり漫画は読んでない記憶があります。
テレビアニメばかりでした。
中でも009は大好きでした。SFものがお気に入りでした。
タイトルだけ知っているけど内容が分かっていない作品も多いです。
by こんちゃん (2016-06-23 09:08)
マンガ、大好きです!
アニメよりは、マンガですね。
だから何?というほどのものではないのですが(笑)。
by トモミ (2016-06-24 12:25)
>Himanaoyajiさん、そうですか。でも、私も大半は友だちから借りたり、
床屋さんで呼んだりしていたんですよ。
>すーさん、おっしゃるとおりです。
昭和中期の漫画家って、パイオニア的な作品を多く出して、
あとから続く漫画家たちに道を示しました。
それらの意味からもポップカルチャーの歴史に残るものだと思います。
>ちんぐるまさん、火の鳥、本当にすごい作品だと思います!
>SIBA-dogさん、本当になつかしい雑誌ばかりです。
お父さんが「火の鳥」全巻をコレクションされていたのですね!
今となっては、すごい貴重品だと思います。
コレクターやマンガ好きにとっては垂涎モノです^^;
>コンブさん、私もSFが大好きです。
009はペンタッチが流麗でしたね。
私も好きな作品の一つです。
>トモミさんもやっぱり!
マンガが一番いいんですけど、ブラジルで買うと日本の8倍もします(;_;)
なので最近は(ただで見られる?)アニメにハマっています^^;
by Loby (2016-06-28 23:05)