白熱する大統領選挙レース [好奇心&ニュース]
彗星、いや、ダークホースのごとく現れ、ヘタをすると当選するかも...
とまで思わせたマリナ・シルバ(PSB=ブラジル社会党)候補でした。
Lobyも『どんでん返し』が起こるかもしれない、と記事を書きましたが...
あまりに早く前に出すぎたのか、最後の直線で息切れしたようで選挙前の調査では3位であったアエシオ・ネーベス民社党候補にまで追い抜かれてしまい、結局、決選投票には残れませんでした
選挙は開けて(開票)みるまで分からないところが多々ありますが、
今回のマリナ候補の脱落の真相は、マリナ氏の急成長に驚愕した労働者党(ジウマ大統領陣営)が、考えうるあらゆる手を使ってマリナ氏のイメージダウンを図ったことにあります。
その労働者党の使ったマリナ候補イメージダウン戦略は、政治問題の専門家やジャーナリストたちが”ブラジルの選挙史上、これほどダーティー(汚い)攻撃は見たことがない”というほどのものでした
一方、このままでは決選投票に残れないと危惧したもう一人の野党候補アエシオ・ネーベス氏(民社党)陣営も、マリナ候補を大統領レースから脱落させればジウマ与党候補と一騎打ち(決選投票)ができると、こちらもマリナ候補へ攻撃を集中。
双方から十字砲火を受ければたまったものではありません。
かくしてマリナ候補はどんでん返しを果たせずに撃沈してしまいました
落胆するマリナ候補
ここに興味深いデーターがあります。
ポーリングデータと呼ばれる、かなり精度の高い確率計算で、その調査結果が選挙直前に発行された週刊誌に載っていましたが、この↓ようなモノでした。
この図を見てもわかるように、一次選挙ではジウマ与党候補が69パーセントの確率(得票率ではない)で
当選すると予想し、実際にジウマ氏(与党)が得票率41.6パーセントで一位当選。
ついでアエシオ氏(社民党)が33.5パーセントの得票率で2位当選。
ダークホースだったマリナ氏(社会党)は21.3パーセントの得票率で3位となり決選投票に
残れなかったわけですが、もし、選挙が9月4日に行われていたとすると、マリナ候補は
70パーセントの確率(得票率ではありません)で当選していたわけで、ひょっとしたら
一次選挙で大統領になっていたかも知れなかったわけです。
運命というものは時に人を翻弄することがあるのですね...
マリナ候補は、『どんでん返し』の記事でも書いたように、当初の大統領選挙候補が飛行機の墜落事故で
亡くなったため急遽立てられた候補なのですが、その直後に圧倒的得票率で当選するかも知れない、
とまで予想されていたのが、集中攻撃に耐えれずあえなく沈没してしまい、望みはかなわなかったわけです。
ブラジルでは、決選投票はまったく別の選挙だと言われています。
アエシオ候補もマリナ台風に翻弄されたかも知れないけれど、しぶとく戦って最終レースに残りました。
そして、上に述べたポーリングデータでは、この記事を書いた時点でこの↓ような確率となっています。
このようなデータは、当然、与党のジウマ候補とアエシオ候補の選挙参謀たちも見ています。
与党側の選挙参謀は、これも当然、どのようにして不利な状況をひっくり返すことができるかに
知恵を絞り戦略をたてるであろうし、一方、アエシオ陣営の選挙参謀も、
いかにしてこの有利を選挙日まで維持(またはさらに上昇)できるかに全力を集中することでしょう。
大統領選挙レース、決選投票のある10月26日まで目が離せなくなりそうです。
そなに汚い手をつかって蹴落とすものなのですね。
(まぁ、そういうものなのかもしれませんが)
はたして決選投票はどうなるのでしょうか。
by isoshijimi (2014-10-13 09:15)
白熱する選挙戦ある意味羨ましい感じがします。
決戦投票が楽しみですね(^_-)-☆
by kuwachan (2014-10-13 09:59)
決選投票ですね。
by Silvermac (2014-10-13 10:24)
候補者のイメージダウン戦略は、ダーティな部分ですね。
誹謗中傷で勝っても・・・と思うんですが、
当たり前のことなんですね。
まぁ、日本の政党の足の引っ張り合いに比べれば、
まだマシかも。。。
大統領職は、図太くないと勤まらないかも。。。(^_^)
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2014-10-13 14:59)
こんばんは、ブラジルは大統領制で直接選べるのでよいですね。 日本は 選挙で議員を選んでそのなかの大きな政党から首相を選ぶので間接的で民意が反映しにくいような気がします。
by ja1nuh (2014-10-13 21:25)
どこの国でもにたりよったりですかね、
まっ、 金儲けでなく、国民の為の政策をやって欲しいです。
(^_-)-☆パチッ
by himanaoyaji (2014-10-14 05:39)
>isoshijimiさん、今回の選挙は政治史に汚点を残すほど
(大げさすぎる?)ダーティーなプロパガンダをやったようです。
こういうのが常習化すると困りますね。
>kuwachanさん、まだまだ予断は許されない状況です。
ただ言えることは、ブラジル人の大半が今の政権に飽々しているということですね。
>Silvermacさん、そうです。今度は決選投票です。
>なんだかなぁ〜!! 横 濱男さん、”結果さえ得られれは方策は構わない”といった、まるで昔のソ連あたりの政治戦略みたいです。
まあ、政治の世界というものは、どこでも同じなのでしょうけど、そんなレベルの低いプロパガンダに騙されるというのも、まだ国民の政治意識が低いからだと思います。
>ja1nuhさん、こんばんは。
そうですね。議会制民主主義と大統領制のメリット、デメリットはそれぞれあると思いますけど、そこはしっかりと代議士を選ぶことで民意を反映していくしかないでしょうね。
>himanaoyajiさん、政治はどこでも同じようなものです。
ただ、国民の政治意識の高低によってかなり差が出てきますね。
ブラジルはまだまだ低いというのが実情です。
by Loby (2014-10-14 07:50)
選挙をする国民がもっと勉強しないといけないのは
世界中どこでも同じでしょうか 関心がなくなるのが
一番怖いような気がします
by きんれん花 (2014-10-14 08:33)
選挙って、どうなんでしょうね~ 日本では有名人(政治に疎くても)が当選することが少なくない。
政治が三流に成り下がるゆえんかも。
ブラジルはどうなんでしょ。
by mimimomo (2014-10-14 08:41)
政治に無関心な人が増えるのが一番怖いことなんですが、
日本は若者の政治ばなれが・・・
関心を持つことが、自分達の未来につながるんですけどね~(^^:
by asty (2014-10-14 11:51)
なんとAECIO NEVES候補のポスターは、バックが戦艦大和ではないですか!
遠い国の選挙とはいえ、目が離せません!
by 駅員3 (2014-10-14 13:56)
追伸 教授3とはエ○板さんこと「ちょいのり」さんのブログに登場するキャラクターです(*^_^*)♫
by 駅員3 (2014-10-14 13:58)
こんばんは!!
興味深いお話でした・・・何処の国でも似た様な選挙事情ですね。
政策論争より、如何に相手をイメージダウンさせるか...と言った
争いなんですネ(^^;
ブラジルでは女性議員さんは多いのでしょうか? 又、要職に就いて
いる女性の数は如何ですか?
by ちゃーちゃん (2014-10-15 00:56)
重箱の隅を突くように、色々不都合なことを持ち出すんでしょうね。
怖い怖い^^;
by 美美 (2014-10-15 17:23)
汚い手を使っても、当選したいって、
大統領ってそんなにいいものなんですかね。
by youzi (2014-10-16 07:10)
>きんれん花さん、ある程度教育レベルが高いブラジル人はまだ極わずか。 ほとんどの選挙民が政治意識の低いというのが実情です。
だから、ダーティーなプロパガンダの本質を見極めることができないのです...
まあ、為政者にとっては、国民は無知であるほどやりやすいのでしょうけど。
>mimimomoさん、ブラジルでも似たものですよ。
選挙民の真理って世界共通みたいですね・
こちらでも有名な元サッカー選手とか歌手とかが大臣になったり、議員になったりしています^^;
>astyさん、日本は先進国の中でも異常に若者の政治離れが顕著なのではないでしょうか?
これも日本の政治家の責任なのでしょうけど...
日本のためにももっと関心をもって欲しいですね。
>駅員3さん、あはは。駅員3さんらしい目のつけどころですね(^_-)-☆
追伸の件:ああ、そうですか。知らないものがちょっと読んだだけでは映画やドラマを途中から見ているみたいです^^;
>ちゃーちゃんさん、こんばんは!!
大統領選挙はとくに相手のイメージダウン戦略が顕著ですね。
日本でも今やっている国会の議論ではそんな感じを受けますけど。
ブラジルの女性議員の数ですか?
あまり多いと言えませんね。
>美美さん、TVでのプロパガンダを見ていると、吐き気がするようなレベルの低い攻撃をしています。
>youziさん、権力は一度味をしめると二度と手放したくなくなる魔力をもっているようです。
by Loby (2014-10-16 07:42)