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「旅立ち」をみました [映画&DVD]

  日本でもたいへん評判になり、ほとんどの人が観られていると思いますが、なんともラッキーにそうとは知らずにレンタルDVD屋さんで借りた数枚のDVDの中に日本の映画作品がありました。


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  ポルトガル語の題名は「A Partida(旅立ち)」なので、なにか人生ドラマだろうと思って借りたのですが、DVDプレイヤーに入れてメニュー画面があらわれたときに『おくりびと』の題名がバックにあるのを見て、おもわず「やった~!」と叫んでしまいました[あせあせ(飛び散る汗)] 『おくりびと』は雑誌の映画紹介欄で見て”見たいなぁ…”と思っていた作品なのです。


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この作品、ポルトガル語の題名は『A Partida(旅立ち)』なのですが、まさか『おくりびと』とは考えもしませんでした。 『おくりびと』の英題は「Departures(出発)」だから、ポルトガル語のもそれに同じような題名ですね。
おくりびと』は第81回アカデミー賞外国語映画賞(日本映画作品では初めて)、および第32回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した作品だそうですが、それも当然ですね、たいへん素晴らしい作品です。


ちなみに、映画.comの同作品に関する評論を紹介すると、

美学の極致まで達した死の儀式を見せる美しい映画

本木雅弘演じる主人公の“納棺師”が死に化粧と納棺の儀式を行う。死に装束の着物の衣ずれの音まで耳に心地よく響く。彼の所作ひとつひとつが指先まで神経が行き届いて、(ポーラ伝統文化振興財団の)記録映画でよく見る“匠の仕事”、美学の極致にまで達している。男の前の職業が指先が器用なチェロ奏者だという仕掛けが効いている。

滝田洋二郎監督と脚本家の小山薫堂がつむぎ出す物語は、死の儀式を執り行う主人公の周りからの“けがれの職業”だという意識をむき出しにする。やがてその儀式なしに、故人との別れは成り立たないことを訴える。最初はショックを受ける広末涼子演じる妻さえも、儀式の凄みに刮目せざるをえなくなる。

納棺師の先輩役の山崎努がフグの白子焼きを、伊丹十三映画のように美味そうに食べるシーンがある。食べることも人間の営みのひとつで、生き物の“死”に始末をつける行為であることをグロテスクなまでに見せつけるのが興味深い。人間は生き物の“死”の上にしか“生”を享受できない。なかなか深い。

この納棺師のひたすら美しい死の儀式は、一度でも親しい者を出棺した過去がある御仁なら、涙なくして見られないだろう。藤沢周平文学でおなじみの山形・庄内地方の移り変わる四季の自然が表情豊かで、美しい映画だ。(映画.comより引用)

と絶賛しています。


『おくりびと』の授賞リスト

日本国内 

第32回日本アカデミー賞 作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞・助演男優賞・助演女優賞・撮影賞・照明賞・録音賞・編集賞
第51回ブルーリボン賞 主演男優賞
第63回毎日映画コンクール 日本映画大賞・録音賞
第33回報知映画賞 作品賞
第21回日刊スポーツ映画大賞 監督賞・作品賞
第30回ヨコハマ映画祭 作品賞・監督賞・助演女優賞・ベスト10第1位
第82回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画ベストワン・主演男優賞・日本映画脚本賞・日本映画監督賞
第18回東京スポーツ映画大賞 主演男優賞・助演男優賞
2008予告篇ZEN映画祭 グランプリ
映画館大賞「映画館スタッフが選ぶ、2008年に最もスクリーンで輝いた映画」第3位

日本国外
第81回アカデミー賞 外国語映画賞
第32回モントリオール世界映画祭 グランプリ 
第17回金鶏百花映画祭 国際映画部門 作品賞・監督賞・主演男優賞
第28回ルイ・ヴィトン・ハワイ国際映画祭 観客賞
第20回パームスプリングス国際映画祭 観客賞
第3回アジア・フィルム・アワード 主演男優賞
第29回香港電影金像奨 最佳亞洲電影
                                       (以上、Wikipediaより引用)


評論を紹介し、授賞リストを挙げるだけで、余分な説明はいらないと思いますが、Lobyなりに感銘を受けたシーンは、「鶴の湯」の常連客で火葬場の職人であるおじさん(笹野高史)が、

「鶴の湯」のおばさん(吉行和子)の火葬のときに語った言葉、「死は門だなって… そこをくぐり抜けて次に向かうための。 私は門番として ここでたくさんの人を送ってきた ”行ってらっしゃい、また会いましょう、と言って…」

という言葉に深く共感しました。作品の題名もおそらくここからとったのではないか、と思いますが、深い人生哲学が含まれているように思われます。


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  あ、最後になっちゃいましたが、Lobyに涙をポロポロ[もうやだ~(悲しい顔)][もうやだ~(悲しい顔)][もうやだ~(悲しい顔)]流させたシーンがいくつかあったことを記しておきます。
うちの奥さんも泣いていました… 

たいへん感動的な作品です。



タグ:おくりびと
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あしあと 14

コメント 7

sonic

はじめまして。
「おくりびと」はポルトガル語圏だと「旅立ち」なんですね。話の内容からすれば納得ですけど。
私はこの映画を飛行機の中で観ました。感極まってしまい、人目を憚らず機内で号泣してしまった思い出があります。
by sonic (2010-09-29 12:07) 

perseus

こんにちは。
おおっ!?『おくりびと』、ずっと見よう見ようと思いつつ
時間だけが過ぎていました。
やはり感動ものだったんですね!?絶対に見なければ!!
Loby様の記事で見たさ倍増以上です^^
非常に参考になりました^0^/
by perseus (2010-09-29 13:54) 

sorasora

まさにこの弾いている場所に偶然行ったことがあり
椅子だけが置いてありました。観光地化されているようです。
おくりびと良い映画ですね。
by sorasora (2010-09-29 21:00) 

Live

私もDVDでですが観ました。
いろいろ考えさせられる話だと思います。
生きている者のほんとにベーシックな部分を良く表している
作品だと思います。
by Live (2010-09-29 21:50) 

Loby

≫sonicさん、はじめまして。
そうです。ポルトガル語では「旅立ち」になりますので、すでに作品の内容をあたわす題名になりますね。飛行機の中で観て泣かれたとのことですが、おそらく他の乗客の方たちも同じように泣いていたと思いますよ^^

≫perseusさん、ぜひぜひ観てください。泣けること確実です(?)
でもメロドラマではありません(汗)

≫sorasoraさん、それはすごいですね!椅子があったのですか。
でも座って記念撮影はできなかったのでしょうね… 私もその場所に行ってみたいです♪

≫Liveさん、私は原作(納棺士日記)は読んでないのですが、おそらく輪廻観をベースにしたものではないかと思われます。外国でもたいへん評判になったことを見てもやはり作品の中でうったえる死生観について共感をよぶところが多かったのではと思います。

≫アイドル箱さん、ご訪問&nice!ありがとうございます。

≫okin-02さん、ご訪問&nice!ありがとうございます。


by Loby (2010-09-29 22:43) 

青い鳥

おくりびと、映画館で見ました。
母の旅立ちのドレスを準備し、別れの化粧を施して送った私ですが、
涙なくしては見られませんでした。
by 青い鳥 (2010-09-30 18:32) 

あんず-M

ワタシも映画館で見ました。少し笑いもありで、とても良い映画でしたね。こういうふうに送ってもらえるならとても穏やかな気持ちになれると思いました。尊厳のあるお見送りは愛ですね。
by あんず-M (2010-10-12 22:36) 

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