白昼の災難 [映画&DVD]
12月のことですが、うちの近くにあったDVDレンタル屋さんが閉店してしまいました。
Lobyの住んでいるところは郊外なのですが、スーパーが3軒隣、薬局が大通りの角、パン屋さんがその前、そのほか金物屋さん、ペンキ屋さん、肉屋さん、おまけにガソリンスタンドまで近くにあるたいへん便利なところで、そのDVDレンタル屋さんは一つ向こうの通りにあり、映画好きのLobyはちょくちょくDVDを借りていました。
12月半ばのある日...ようやく待望のT5(ターミネーター5)が入荷したと聞いたので早速借りに行きました。
T5は期待を裏切らない大作でたっぷり楽しめましたが、翌日、DVDを返しに行くとレンタル屋さんは閉まっていました。
怖い顔のターミネーター
「えっ、まだPM7時ちょっとなのにもう閉めちゃったのか...」
いつもはPM8時過ぎまで開いているはずのレンタル屋さんは今日はどういうわけか早く閉めちゃったようなのです。
(まあ、こちらが返すのを忘れたわけじゃないから明日返しに行っても超過料金払わなくてもいいだろう...)なんて考えながら家にもどりました。
翌日、12時頃に返しに行くとまだ閉まっています。
夕方になって行ってもまだ閉まったまま...
(あれェ...なにか家族に問題でも起きたのかな。それにしては何の知らせもドアに貼ってないなァ...)
翌々日になっても一日中閉まったままで、そのまま週末が過ぎても閉まったまま。
水曜日頃に行ってみると半戸だけ開けていましたので入ってDVDを返しながら懇意になっているレンタル屋のおばさんに
「何かあったのですか? ずーっと閉まったままだったけど?」と聞くと
「実はね、押し入り強盗に襲われたの」
「えーっ、押し入り強盗って昼に?」
「そう、午後3時半ころだったわ。二人組みが入ってきて、”新規の客の登録”をしたいなんて言って来て、一人が表を見張り、もう一人がカウンターの中に入ってきて私を後ろから羽交い絞めして...」
と思い出すのもいやみたいな風に語ってくれました。
「強盗って今までに何回か入っているんですか?」と聞いてみると
「もうこれで3回目よ」
エッ? (;゜⊿゜)ノ マジ?
なんと言って良いかわからず、
「たいへんでしたね...」とお慰め言葉を言いながら観てないDVDはないかと物色していると
「Lobyさん、すみませんけどもうDVDはレンタルしないんです...」
「???」
「もう災難はたくさん。店を閉めることにしたの」
( ̄△ ̄;)エッ・・?
「店のお金を盗られるのはまだ我慢できるとしても、羽交い絞めにされるような目にはもう二度と遭いたくないから...」
というわけで、DVDレンタル屋さんはクリスマス以前に閉店してしまったのです
まあこじんまりとしたDVDレンタル屋さんで、以前はそのおばさんの親戚の方がやっていたのですが、その親戚の家族の子供たちが育って、それぞれ会社勤めなどを始めたのを潮にその店をそれまで手伝っていた彼女(おばさん)に譲ったわけですが、彼女は一時はお手伝いの女の子みたいなのを雇ってやっていたんですけど、やはり小規模なので人件費が大変なのでしょう、いつか彼女一人だけでやるようになっていました。
それに運が悪いことに隣にあったパン屋さんが閉鎖したので彼女の店だけがポツンと一軒だけ開いているのも良からぬ連中の好餌となったようです...
まあレンタル屋はそのまま誰か関心ある人に売る(権利と在庫一式)と言っていたので、そのうちに誰かがまた新しく始めるかも知れませんが、それまではレンタルDVDなしの禁欲生活(?)を送らなければいけないハメになったLobyでした。
散歩コースの途中にもレンタルDVD屋さんはあるのですが、ちょっと遠いし(徒歩15分くらい)、クルマで借りに行ったり返しに行ったりしても仕方ないし...
というわけで、どうしてもDVD観たい時はLobyが今までに買ったり録画したりしたDVDコレクションを観るほかありません。
そして久しぶりに観たのが『愛の落日』(The Quiet American)でした。
(あー前置きが長くなっちゃったな)
本作品は、グレアム・グリーン原作の『静かなアメリカ人』を映画化したものですが、同作品は1958年にすでに『静かなアメリカ人』(The Quiet American)―監督・脚本:ジョセフ・L・マンキウィッツで映画化されているのでリメイクになりますがLobyは当然ながら観ていません。
グレアム・グリーンは『第三の男』の原作者としても知られています。
『第三の男』は映画の方は今ではほとんど誰も知らないようですが、テーマソングはかなり有名でよくギター曲などにもあります。
『愛の落日』は1950年代のベトナム(当時はインドシナと呼ばれていた)を舞台にした作品で、監督はフィリップ・ノイス、キャストはマイケル・ケイン、ブレンダン・フレイザー、ドー・ハイ・イエンです。
マイケル・ケインは文句なしにピッタリの役ですが、フレイザーが”おや?”と驚くような真面目ないい役をしています。フレイザーって『悪いことしましョ』などのコメディカルな作品ばかりしか出ないと思っていたら、こんな役も見事にこなすんですね。
ドー・ハイ・イエンはベトナム人女優でなかなか好演しています。彼女は本作品のほかにも『コウノトリの歌』に出演していますが残念ながらこれは観ていません。
ドー・ハイ・イエン
『愛の落日』のストリーは、初老にさしかかったロンドン・タイムズの特派員、トーマス・ファウラー(ッマイケル・ケイン)はベトナム人の若い愛人フォング(ドー・ハイ・イエン)といっしょにフランス領であったインドシナのサイゴン(現ホーチミン市)に退廃の日々を送っていた。そこに若い米国の経済使節団員アルデン・パイル(ブレンダン・フレイザー)が現れ二人は意気投合するが、パイルはフォングに一目惚れしてしまい、そこらか複雑な三角関係がインドシナ情勢の変化―フランス軍の敗退、米国の経済・軍事援助増加、インドシナ・ゲリラ(ベトミン、ついでベトコン)の勢力拡大― ともつれつつ織り成していってついに行くべきところまで行き着くわけですが、
一時は意気投合したファウラーとパイルであったが...
ファウラーはフォングを失くしたくない
そしてインドシナの情勢はさらに悪化する
原作者グレアム・グリーンの(インドシナにおける)新聞記者時代の経験をもとに実在のCIA情報員をモデルとして書いたと言われるだけあって、マイケル・ケインの素晴らしい演技とあいまって当時のインドシナ半島の緊迫度と過激化する軍事紛争を肌身に感じることができる名作です。ちなみにトーマス・ファウラーは苦悩の末、もとどおりに愛人ファングと暮らすようになりますが、そのためには恋のライバルであるパイルを共産ゲリラの手に渡すという決断をします。これは共産主義的な思想に傾斜していた原作者が米国の軍事介入主義を嫌ってこのような結末に仕上げたものですが、そのおかげでベトナム政府からはホーチミン市内でのロケーション(共産ゲリラによる爆弾テロのシーンなど)も許可されるという恩典を受けています。
とにかく興味深い作品です。
2010-01-03 10:18
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なんだか切ない映画のようですね。
いつか観てみようと思います。
それにしても3度も強盗に入られているとは…それは辞めたくもなりますよね。
by おりおん星人18号 (2010-01-03 10:39)
3度も強盗に襲われる・・・本当に災難でした。
その為にLobyさまが利用できなくなる、残念ですね。
今まで長い間通った店が無くなるのは寂しいものです。
私も長年お世話になったクリーニング屋さんと
昨年いっぱいでお別れでした閉店の為)。
新しい所を探すのに大変です。
by 青い鳥 (2010-01-03 14:39)
おりおん星人さん、なかなか見ごたえのある作品です。
もちろん、通常のロマンス物ではないのでこういう作品を観慣れてないと
退屈に感じるかも知れませんが...
by Loby (2010-01-03 22:30)
レンタル屋さん、お気の毒に、大変でしたね。恐いなー。 (;^ω^)b
面白そうな映画ですねー。製作されてから、もう50年以上経っているんですね。インドシナとか、情勢悪化、緊迫とか、クメール・ルージュのキリングフィールドを思い出しました。w (´∀`)ノ
(^ー^)ノシ
by モッズパンツ (2010-01-04 01:01)
おはようございます。
強盗が近くに現れるなんて怖いですね、
我が家も一度空き巣狙いにガラスを割られました、
隣の家の人が我が家の近くまできたのであわてて逃げたみたいで
被害はガラス一枚でした、強盗はカンベンしてほしい。
映画見れないのは残念ですね。
by y-tanaka (2010-01-04 10:40)