ドローンを撃ち落とせ! [日記]
日本政府は、2019年のラグビーワールドカップや20年の東京五輪に備え、ドローンを使ったテロへの対策を年内にも打ち出すとニュースでは報道しています。
警察庁もその一環として、ジャミング装置を使った「兵器」で違法ドローンに妨害電波を当て、ドローンをは緩やかに降下したり操縦者の元に戻ったり、その場にとどまったりして標的に近づけなくなるする方法を検討中とか。
ドローンは、凧のような子どものおもちゃから、不法上空侵犯、操縦不能で人のいる場所に落ちてケガをさせる可能性、そしてもっとも怖いのがテロ行為に使われることです。
そのほかにも、空港で飛行機の進入路や離陸路に飛ばしたりして事故の大きな原因ともなりかねないため、空港関係者やパイロットも神経をとがらせているようです。
そのドローンを、ブラジルでも市役所などが使いはじめたのです。
といっても、市民の監視とか、治安のためではなく、登録されてない家屋や増築を見つけ出すため。
ブラジルでは日本の家屋税に相当するものに、都市不動産所有税(IPTU)と呼ばれるものがありますが、ブラジル人というものは、日本人のようにキチンと何でも市役所に届けだしません。
とくに、この都市不動産所有税は、市役所に登録されている“建設面積”に応じて課せられるので、たとえば細長い土地で前の道路に面した家は小さく建て、それで登録し、あとで後ろに増築したり、大きな二階家を建てたりする者がかなりいるのです。
まあ、税金という者は、誰でも払いたがらないもの。
払うとしたら、できるだけ少ない方がいいと思うのもなんですよね。
それで、そういう”違法家屋”が増え続けて、市役所も人口が50万とか100万とか500万とかいる町では、一軒一軒訪ねて行って、
「お宅の家は増築してないか見せてください」
とか
「お宅は裏に二階家を建ててないか見せてください」
というわけにはいきません。
市役所も人手が少ないし、居留守を使われたりするかもしれないし。
そこで市役所が考えたのが、ドローンを飛ばして上空から建物面積を計る方法。
そして、Loby家にも来ました。
『通告』
と恐ろし気なタイトルの通知が...
最初はグーグルマップの写真かと思いましたけど、みんなは市役所はドローンを使った、と言っていました。
『通告』には上空からの写真と前からの写真がありました。
「航空写真」と下部にあります。赤線内がLobyの土地(500㎡)
『通告』には、「市役所に登録されている建て面積は160.54㎡ですが、調べたところ367.7㎡となっています...」
と赤線で囲った文章に書かれています。
160.54㎡というのは、Lobyの家(二階家)で、
367.7㎡というのは、ユウちゃんたちが引っ越して来る前は、亡くなった両親が住んでいた家で、
登録していない家、ガレージ(屋根付き)、洗濯物干場(屋根付き)などが含まれています。
そして、
「2018年度からの都市不動産所有税(IPTU)は、この増えた建て面積をベースに計算されたものとなります。もし、当不動産の所有者が、この通告で示している建て面積が正確なものでないと考える場合は、当通告受け取り後30日以内に必要書類のコピー等を市役所に提示し異議を唱えること」
そして、必要な書類には、家の写真、建築技師に描かせた家の設計図、または設計図の下書きなどが含まれています。
当然、増設や新しく建てたものは登録などしていないので、設計図もあるはずがありません。
Lobyもなにもしないつもりでしたが...
2018年になって(去年の話です)、市役所は都市不動産所有税(IPTU)を
300パーセント上げたのです!
これには、当市の全市民から抗議の声がでました。
市民たちの中には市議会に抗議に行くものも出て、結局、市当局は値上げをやめてしまいましたが、なんでも市当局の話では十何年間だか都市不動産所有税(IPTU)を上げなかったので上げたとか...
税金を払う方にしてみれば、毎年少しずつ上げてくれた方が、一度にこんなに上げるよりいいと思うんですけど。
ということで、Lobyもその恩恵にあずかり、以前通りの安い都市不動産所有税(IPTU)を去年は払いました。
しかし、「増設分と両親の家の分」の登録はしておいた方がいいと考え、現在のLobyの家を設計してしてくれた建築技師さんにお願いして「増設分と両親の家の分」の登録に必要な手続きをお願いしました。
ちょうど、市当局が『建築物規制』に不適合な家屋の登録を特別承認するという期間限定の条例を出したのでこれを利用することにしました。
『建築物規制』に不適合な家屋の登録を特別承認では、土地の1/3は雨水を吸収する地面か芝生などでなければならないのです。
土地面積の1/3が吸水性の地面でなければ、床を壊したり、建っている家を壊したりして規制に適合するようにしなければなりません。
契約した建築技師さんに計ってもらったところ、はたしてタイル張りの ” 吸水性のない” 庭の面積が広すぎるので、本来であれば庭のタイルの半分くらいは壊して、地面をむき出しにするか芝生などを植えなければならないとのこと
” 善は急げ” ではありませんが、安くもない料金を建築技師さんに(分割払いで)払って、こんどは市役所に登録するための手数料を払いました。
すると、市役所はサービス税を支払うように要求します。
「なんでサービス税」
と思いましたが、どうやら通常であれば建築請負業者か建築会社が市に収める税金なのだけど、一般の人はそういう正規な業者を雇うと高くなるので、正規ではない職人さんを雇って家を建てさせたり、増築をさせたりするのです。
で、市としては、そのときに払われなかったサービス税を家の所有者からとるという、なんともわかりやすい税金徴収システムらしいです。
Lobyの家の場合は、日本円にして25万円程度の金額になるでしょうか、そのサービス税は。
ブラジルでこの金額ってかなりの高額です。
これも10回の分割払いですが。
これが、建築技師さんが作成し、市役所が承認したLobyの家の不動産図です。
建築技師さんが先週、市役所からもらって持って来てくれました。
(それでまた市役所になんとか料とかいうのを払わされましたけど)
図面に記入されている通りの面積かどうかを市役所の係りの人が検分に来ました。
ただ、唯一、メリットがあったと思ったのは、市役所の係りの人が検分に来たときは両親の家には誰も住んでいない空き家だったので「倉庫」という名目で登録されたこと。
「倉庫」はサービス税が安いので、この分は少し助かりました。
まあ、今はお金がかかるけど、将来、Lobyたちがいなくなったときに、残った子どもたちにあまり問題を残したくありませんから、必要経費と思っています。
それと、やはりオヤジの残したガラクタでたいへんな目にあったので、
Loby自身も亡くなる前には生前整理をしておきたいですね...
今日はあまり面白くない記事でスミマセン。
それにしても、日本なんかでは「上空権」みたいなのがあるようですけど、
ブラジルではどうなのかなぁ...
もし、あるのならトップで紹介したような「兵器」を使って
上空侵犯ドローンを撃ち落としたいです
今日もご訪問有難うございます♪
税金、払うのは嫌ですが、払わないと国や地方公共団体が潰れるし、自分も行政サービス受けられないしね^^
by Baldhead1010 (2019-04-28 05:03)
大変でしたねぇ!
日本で同じことが起こったらどうなるんだろう?
想像もつきません!!
by トモミ (2019-04-28 15:26)
税金を増やしたい市当局と、払いたくない市民との知恵搾り合戦ですね。
by ヨッシーパパ (2019-04-28 18:51)
ドローンを使ってこんなことまで細かく
調べるとはすごく驚きました。
いくら都市不動産保有税をしばらく上げてないからと
言っても、いきなり300%も上げようなんて
市民のことをまったく考えてないみたいですね。
by プー太の父 (2019-04-28 19:43)
都市不動産所有税の300%はぶったまげますね。
やることが極端ですね。
まぁ、日本の場合は何だかんだと言ってチマチマ税が上がっていきます。
特に年金者から。。。タマランです。
by 横 濱男 (2019-04-28 19:57)
土地家屋や税の問題って難しい上に厄介ですよね。
爺の数年前まで苦労したことがあります。
by 旅爺さん (2019-05-03 09:52)
>Baldhead1010さん、納税は義務だし、それでいろいろ良くなったり
するのはわかりますけど、やり方がちょっとアコギな感じです(^^;
>トモミさん、日本では今度消費税があがりますね。
その影響による消費の冷え込みも予想されているとか。
こちらはずっと昔から18パーセント近い商品流通サービス税が
あるんですよ(^^;
>ヨッシーパパさん、まあ、日本などはしっかりと税金が使われている
ようですけど、こちらは「?」的な部分も多いのですよ。
>ぷー太のパパさん、実際にドローンを使ったとしたら、やはり違法じゃな
いかと思うんですけどね。 市役所相手にケンカしてもはじまらないし...
>横 濱男さん、年金者といえば、税金は情け容赦なくとりますけど、
年金の調整率は微々たるもので、物価上昇率にはとても追いついて
いってませんのでこのままではジリ貧です(つд⊂)エーン
>旅爺さん、日本でもとくに家の税金は高いものがあるって
N〇Kで放送していました。
どこの国でも税金問題はたいへんですね。
by Loby (2019-05-04 03:32)