トリプレックスマンション [好奇心&ニュース]
日本ではあまり聞きなれない名前だと思いますが、デュープレックスは2階続きのマンションで、トリプレックスは3階続きのマンションなのです。
疑惑のトリプレックスマンション
このトリプレックスマンションが今日の話題です。
と言っても、Lobyが持っているとか買うというわけではありません。
なんせ、この高級マンションは、サンパウロ州でも有名な海岸沿いのリゾート地にある15階建ての高級マンションで面積約300平方メートル、なんと専用エレベータまであるというシロモノ。
価格は約 50万ドル、円に換算すると約 5千4百万円。
(日本とブラジルの物価差を考えると、その2倍《1億円以上》 くらいが適切でしょう)
とても翻訳家&日本語教師の収入やへそくりで買えるモノではありません
その超高級マンションは、サンパウロ州でも有名なリゾート地にある
では、誰が所有者かというと…
今のところ、”所有者と思わしき人間”からは、
ルーラ前大統領
「私のものではない」
との発表が出されているので、所有者はいない… ことになっております。
ところが、マスコミによれば、この超高級マンション、真の所有者は前大統領のルーラ氏と言われています。
ブラジルの連邦警察と検察庁の共同捜査で、労働党政権下で十数年にわたって続けられて来た、石油公社や土木会社なども関連する、マネーロンダリングと組織犯罪が次々と明かされ、犯罪者(与党の大物や党幹部、公社&土木会社の幹部や社長等)が続々と逮捕されつつありますが、このマネーロンダリングと組織犯罪の大元が、与党・労働者党の実力者であり、大統領を2期(8年)務めたルーラ氏だと連邦警察は推察し、証拠固めを急いでいます。
土木業者と政府実力者の癒着という構図は、別にブラジル特有の問題ではなく、巨額の建設費が動く土木業界と政界の腐れ縁というものは、昔から世界中で起きており、別段目新しいことではないのですが、労働者党にせよ、ルーラ氏はじめ、党幹部の人たちは、野党時代には”我々は労働者の味方だ、低所得層の味方だ”と声高らかに言っていたものが、政権をとったとたんに、”少しくらいならくすねても問題ないだろう”(ルーラ氏の言葉)という風に衣替えし、腐敗と金権政治に陥るとは… まったく言葉もありません。
それで、この高級トリプレックスマンションは、ルーラさんたちのおかげで”甘い汁”をたくさん吸うことができた土木会社が、”ほんのささやかなお礼”の気持ちでさし上げたものの一つなのだそうです。
なので、所有者名義は土木会社のものとなっていますが、前大統領一家のものだということは関係者周知の事実。
『3000人の組合員が、まだ住宅を受け取ってない』と書かれた新聞記事
さらにヒドイことに、このマンション、実は与党の幹部が2007年に、銀行職員の住宅購入を支援(融資)する目的で創立したBancoopという組合の資金、つまり、組合員(銀行職員)が積み立てた住宅購入資金を使って建てられたものだということ。
この組合、組合員から集めた資金を党幹部に納めたり、選挙資金に使ったりと、奔放な経営。
ついに2010年には、裁判所から営業停止命令を受けるハメになりましたが、その時点での負債額は約40億円。
住宅購入資金の全額を貯めた(はず?)なのに、住宅を受け取れなかった組合員(銀行職人)は3000人。
そのほか、被害を被った組合員は8500人と言われています。
ちなみに、トリプレックスマンションがあるビルに、同じくマンション(これはトリプレックスではなく、普通のマンション)を購入した組合員もいるそうですが、いまだにすでに全額を払ったマンションの鍵をもらってないそうです(つまり、完成してないということ)。
そんな記事も『前大統領ルーラ氏のトリプレックスマンション』の特集記事を載せた週刊誌に出ていました。
その疑惑のトリプレックスマンションには、土木会社が10万ドル(1200万円相当)をかけて内装をしたと報道されている。
トリプレックスマンション1階図
トリプレックスマンション2階図
トリプレックスマンション3階図(専用プールまである)
疑惑の濃いトリプレックスマンションですが、この前大統領氏、2、3億円の高級マンションなんて、買おうと思えば買えるだけの収入はあるのです。
なぜって、このルーラ氏、大統領を辞めたあと、2011年から2014年の4年間に何と講演で680万ドル近く、日本円にして8億円以上も講演料としてもらっているからです(先に挙げた週刊誌の記事)。
でも、この工員上がりの前大統領、それほど聞きがいのある講演をしているとは聞かれません。
実は、この収入は、”講演”という名を使った”献金”だとマスコミは報道しています。
10回の講演で100万ドルを建設会社から受け取ったと報道された前大統領
さらに、この前大統領、トリプレックス・マンションのほかにも、40万ドルの価値があると言われる山荘をサンパウロ郊外に所有しています。
山荘は17万平方メートルという広大な総面積をもつものですが、これは甲子園球場がすっぽり10個以上も入る大きさなのです。
こういえば、その大きさが想像できるというものですね。
疑惑の山荘
この山荘は前大統領が現大統領に政権をバトンタッチした2010年に購入されたもので、その時はあまり大きくもない山荘と小さなプールだけしかなかったそうですが、この前大統領と結びつきの強かった(政治権力者から受注に関して便宜を図ってもらう見返りに政治巨額の献金をし続けた)O建設会社の社長(現在、ペトロブラス・石油・ガス公社(PB社)を震源地とする政財界を巻き込んだ空前の贈収賄に関与した罪で16年の刑を受け服役中)に、”友人のよしみ”で山荘の改修を依頼したとか。
依頼を受けたその”友人社長”さんは、突貫工事(?)で3か月という(建設工事の工期が遅れがちなブラジルでは見られないような)短期間で、山荘を増築し、プールを拡大し、サッカーコートを作り、魚釣りが好きな”友人”の前代未聞のために池を二つ作り魚を放ち、週末に友人を招待し、BBQができる屋根付きのスペースを作り、山荘までの泥道に砂利を敷いて芝生を脇に植え整備し、完成時にテープカットこそなかったものの、見事に前大統領の期待に応える改造を終えたそうな。
そういえば、数日前にTVニュースで、汚職問題などに取り組んでいる非政府組織、トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)が1月27日に発表した、『2015年版腐敗認識指数(CPI)』では、ブラジルは堂々と76位に入っていました(決して誇れることではない)。
このランキングは、ブラジルは前年度比で7ポイントダウン。
南米諸国の中では最高の腐敗認識指数だそうです。
ペトロブラス(石油公社)汚職事件なども、ブラジルの腐敗認識指数上昇の原因の一つ
この、ブラジルの腐敗認識指数は、インド、チュニジア、ボスニア、タイ、ブルキナ・ファソ、ザンビアなどと同ランキングだそうです。
まあ、与党のトップ連中が国の資産を食い物にし、国民の税金をバンパイアが血を吸うように盗む政治家のいるような国は、腐敗度が悪化するのは当然ですね。
ちなみに、2015年度版の腐敗認識指数レポートで日本は18位(前回より3ポイントダウン)でした。
政治家は何処の国も同じですね。
そう言えば、ジカ熱は大丈夫なんですか??
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2016-02-14 22:03)
政治家は金儲けに走っているのはどこの国でも一緒ですね、
(日本はマイナンバー導入します、マイナンバーで政治家の資産、収入などを全部オープンにして欲しいです。 q(^_^)p )
さんな事より、カーニバルのお姉さんを早くお願いします。(笑)
by himanaoyaji (2016-02-15 05:42)
すごいマンション( ´Д`)=3
お金は、お金があるところに集まると聞いたことがあるような、ないような・・・
by isoshijimi (2016-02-15 08:11)
結局のところ政治家って何処でもそんなものなのでしょうか。
そういう人ばかりとは思いたくないですが。
by kuwachan (2016-02-15 12:36)
カーニバルは、毎年のことですがニュースになってますね!
閑話休題。
いや、何処の国も似たようなものとはいえ、嫌な話です、本当に!!
by トモミ (2016-02-16 12:42)
>なんだかなぁ〜!! 横 濱男さん、ジカ熱ですか?
まあ、冬は蚊はあまり活動しないので、オリンピックは
だいじょうぶでしょう。
>himanaoyajiさん、人間はどこの国でも同じですね。
えっ、カーニバル?
もう過ぎちゃいましたね(;'∀')
>isoshijimiさん、そうですね~。
とくに政治家はマネー磁石をもっているようで、
たくさんのお金を集めることができるようです。
>kuwachanさん、どこの国にも真面目な人もいるし、悪人もいます。
同様に、真面目な政治家もいれば、腐ったような政治家もいますね。
>トモミさん、そうですね。
今はインターネットの時代なので、サーチさえすれば、いくらでもカーニバルの写真見れますね。
政治の世界も人間も、どこの国、どの時代でも変わりません。
by Loby (2016-02-23 00:09)