世界最大のカーニバル(Part 4) コミッソン・デ・フレンテの楽しさ [日記]
カーニバル・パレードの見ものは
サンバガールや山車、それに前回紹介したアラ・ダス・バイアーナスだけではありません。
毎年、リオ・デ・ジャネイロとサンパウロのサンボードロモ(カーニバル会場)で
12のエスコーラ・デ・サンバ(サンバチーム)がおたがいに華麗さ、リズムなどを競い合う中で
観衆がもっとも注目する一つにコミッソン・デ・フレンテ(Comissão de Frente)があります。
このコミッソン・デ・フレンテ、直訳するとエスコーラ・デ・サンバ(サンバチーム)の”前衛隊”みたいなものですが、そのはじまりは19世紀初頭にカーニバル・パレード発祥の地であるリオ・デ・ジャネイロで、すでにストリート・カーニバルで見られていました。
ただし、現在のコミッソン・デ・フレンテがチームの顔的 な役割を果たし、各エスコーラ(サンバチーム)のパレード出場時にそのエスコーラの名前を掲げ(山車などにエスコーラの名前をつける)、パレードの露払い みたいなことをするのと違って、当時はそれぞれのサンバ同好会の理事や主だった役員などがとっておきの衣装でもって自分たちのカーニバルチームの先頭に 立って観衆に挨拶していたことから始まりました。
20世紀半ばころのカーニバル衣装を着た人たち
こちらは昔のブロック(Bloco=カーニバルを楽しむグループ)
その後、年月とともに様々な変化が取り入れられ、ポルテラ(Portela)チームがフロックコートとシルクハットという礼装スタイルでパレードしたのが きっかけとなり、ほかのチームもこぞってそのスタイルを取り入れることになりました。この礼装スタイルを考案し導入したポルテラの目的は、当時、この庶民 のカーニバルは貧乏人やアウトローでケンカ好きな人間の集まりだというネガチブ・イメージをもっていた中上流層のイメージ感を変えることにありました。 きちんとした 立派な服装をすることでカーニバルはまともな(真面目な)人間がやるお祭りだというイメージチェンジを図ったのです。
1930 年になると、ヴィジンニャ・ファラデイラ(Vizinha Faladeira)チームは、リムジンや馬に乗ったコミッソン・デ・フレンテを披露。それまでのフレンテのスタイルとは全然違うスタイルには大きな批判 が出ましたが、コミッソン・デ・フレンテのその後の華麗なヘンシーン(?)を象徴するかのようなインパクトを与えました。
1938年になる と、コミッソン・デ・フレンテはカーニバル・パレードに参加するエスコーラ(サンバチーム)の必須条件となります。それとともに、プロの美術デザイナーた ちがエスコーラのアートを担当するようになるとエスコーラの形は華麗に変化しはじめます。それまではどのエスコーラも似たり寄ったりだったのです。 エスコーラの隊列が着る衣装もサンバ・エンヘードと関連性のあるものをデザインして使うようになりました。
【注】サンバ・エンヘードはカーニバル・パレードに出場する各エスコーラが、その年の各エスコーラのテーマに合わせて作詞作曲したものであり、これは”法令によって”ブラジルの歴史や自然などに限られた内容のサンバ曲であるということが義務付けられている。ポルトガル語辞典でenredoを引くと『小説・戯曲の筋』とある。つまり、サンバ・エンヘードとは”サンバで綴る物語”という意味になる。エスコーラ・デ・サンバ(サンバチーム)は、かならずあるテーマにしたがったエンヘードをパレードで歌う。
1970 年代の終りには、「女性解放運動」の影響もあって半裸の女性(下の写真で見るような、現在ではごく普通?のパレード衣装)で構成されるコミッソン・デ・フ レンテも出現。中でもリオのインペラトリス・レオポル ジネンセ(Imperatriz Leopoldinense)チームが1979年のカーニバルに、今で言うナイスバディのムラータ(白人と国人の混血女性)たちで構成されたコミッソン・ デ・フレンテを披露して大きな注目を集めました。このコミッソンのスタイルはすぐ次の年からほかのエスコーラ(サンバチーム)に真似されましたが、コミッ ソン・デ・フレンテのスタイルの大勢は、華やかで注目を浴びるもの、そして凝った振り付けで表現をするものとなっていきました。
ムラタなしではカーニバルは始まらない?
この変化にしたがってコミッソン・デ・フレンテにもプロのダンサーたちが起用されるようになり、やはりプロの振付師によってパレードにおける表現がされるよ うになりました。コミッソン・デ・フレンテにプロを使う傾向性は1990年代後半になるとさらに顕著になり、サーカスの曲芸師や劇団グループなどのプロま でが大量に出場するようになりました(当然、ギャラをもらってです)。
2010年のウニードス・ダ・チジュッカチームのコミッソンの演技は大喝采を浴びた
2011年リオ・デ・ジャネイロの優勝チーム、ベイジャフロールのコミッソン・デ・フレンテには有名な女優さん(ダンサーでもある)が出場し、観衆を沸かせました。
これはその動画。最初のバテリア(打楽器隊)の演奏も見ものです。コミッソン・デ・フレンテは動画の中ほどに出てきます♪
ウニードスダチジュッカチームの2011年の演技も大きな注目を浴びた
このように、コミッソン・デ・フレンテの表現・演技(振り付け)というものは、現在のカーニバル・パレードではたいへん 重要な位置を占めるようになっており、観衆(および審査員)を驚嘆させるような演技や見事な振り付けは高得点につながるため、各エスコーラとも毎年頭をひ ねって意表をつくようなもの、あっと驚かせるようなものを考えだしてコミッソンに取り入れるようになっているので、これもカーニバル・パレードを見る楽し さの一つとなっています。
やはり、どこの国でも祭りと喧嘩がセットになっていた
時期があるんですねぇ。。。
それにしても、私なんかはカーニバルといえば
露出度の高い女性の衣装しか見ておりませんでしたが^^;
こういうコンテスト形式になっていたのを知りませんでした。。。
ホントお恥ずかしい話で・・・;^_^A
by 銀狼 (2012-02-13 01:45)
おはようございます。
コンテスト形式になると、更にお祭りは熱を帯びますね!
どのチームも凄いとし言い様がない感じがします。
by kuwachan (2012-02-13 06:43)
舞台裏…全く存じ上げませんでした(@@;
色々ときまり等もあるのですね~~☆
煌びやかな衣装とダンサーさんの表情に、本日も釘づけです!
by oyatu55 (2012-02-13 06:45)
白人と黒人のハーフに生まれたかったなぁとw
大規模になるとそれはそれで大変そうです。
by サンダーソニア (2012-02-13 07:36)
>銀浪さん、お祭りに喧嘩がつきものなのは世界共通ではないでしょうか?
カーニバルは、銀浪さんのおっしゃる通り高露出度の女性たちがコンテストにしたがってエネルギッシュにサンバを踊るものです^^b
>kuwachanさん、おはようございます。
サンバエンヘードにしたがって展開するパレードを見るのはたいへん興味深いものです^^
>oyatu55さん、カーニバルパレードは、その裏を知るとさらに興味深くなりますね^^
毎年、各チームごとのテーマが違い、それにしたがって衣装や山車も変わってくるのも楽しみです♪
by Loby (2012-02-13 07:42)
華やかですね~♪
コンテストとなるとやっぱり熱が入って、ますます盛り上がるんでしょうね^^
お疲れ様でした(#^^#)美味しいビールで今宵も酔っ払ってくださ~い(^0^)/
by リキマルコ (2012-02-13 07:42)
やはりカーニバルは実際に見たら
感動するんでしょうね。
あの洋服が変わるのは不思議です。
by yoko-minato (2012-02-13 08:38)
カーニバルというとセクシーなお姉様方ばかり連想してしまいますが、
いろいろな出演者がいらっしゃるのですね。
サーカスは楽しそう♪
by さくらこ (2012-02-13 09:21)
僕は、どうしても美しい女性に目が行ってしまいます
どうしてブラジルの女性達は、こうも美人揃いなんでしょう
by 駅員3 (2012-02-13 09:35)
お早うございます。
あまりの豪華絢爛さと奇抜さに\(◎o◎)/!
by yakko (2012-02-13 10:27)
一度行ってみたいですね
by arashi (2012-02-13 10:51)
>リコマルコさん、華麗!の一言です^^v
賞金額も大きいですからね^^
有難うございます。ビール、とてもおいしかったです♪
>yoko-minatoさん、情熱に煽られて大感動します^^
洋服が変わるのはうまいトリックですね。
>さくらこさん、そうですね、きれいなお姉さんもいますし、イケメンもいます(あまりとりあげていませんが…^^;)。
サーカスとかバレーとかは楽しいですよ^^
>駅員3さん、あはは。そうれはフツーですよ^^
とくにカーニバルは選りすぐりの美女が参加しますからね♪
>yakkoさん、おはようございます。
カーニバルパレードは豪華絢爛プラス情熱的です\(◎o◎)/!
>arashiさん、ぜひ一度カーニバル見物にいらしてください♪
by Loby (2012-02-13 11:38)
こんにちは。
前衛隊とは思えないほど、質の高いものですね。
年々レベルが上がっていくカーニバル、続けてみていくと
その変化も楽しめますね。
by まる (2012-02-13 12:11)
カーニバルというと、すぐにブラジルのパレードの様子を想像しますが、
本当にきらびやかで、賑やかなエネルギッシュな感じですよね^^
以前のお写真の衣装は、とてもシックで、
今の感じとだいぶ違いますね。
by アールグレイ (2012-02-13 12:35)
日本でもリオのカーニバル開催のニュースが
増えてきましたよ(^w^)
華やかでいいですね(^m^)
今年のカーニバルのレポートをまた楽しみにしております!
by rtfk (2012-02-13 13:12)
本場のカー二バルを見たいですね~
日本でも近年小規模のはありますが
ね・・・。
by ryuyokaonhachioj (2012-02-13 13:44)
こういうお祭り大好きです!
本場のを見てみたいです!^^
by hatumi30331 (2012-02-13 14:59)
カーニバル・・・・いろいろバラエティに富み、楽しめますね。さすが世界一、本場で見てみたいものです。
by rabbit (2012-02-13 15:50)
本場のカーニバルは見てみたいですが
ちょっと遠いですね^^;
でもここで楽しんじゃいましたね(笑)
by 美美 (2012-02-13 18:20)
こんばんは。
こういった感じのカーニバルもあるのですね!?
日本からTVで見るのは、いつもの盛大な雰囲気だけ
ですので、かなり目新しかったりもしました。
by perseus (2012-02-13 18:43)
こんばんはー
こちらは冬の真っ最中でとても寒いのですが
Lobyさんの記事と写真は華やかで熱いので
体が温まります。
by プー太の父 (2012-02-13 19:47)
>まるさん、こんにちは。
前衛隊の演技やトリックなどは毎年驚くようなものが多くあるので見るのが楽しみです^^b
>アールグレイさん、そうですね、カーニバルといえばすぐブラジルを思い浮かべるほどイメージが定着しましたね^^v
アートデザイナーがカーニバルに参加するようになって、視覚的にも大きく変化し、とてもカラフルなものとなっています♪
>rtfkさん、そうでしょうね。こういう素晴らしいイベントのニュースをほっておく手はありませんからね。 いよいよ今週の金曜日から待ちに待ったスタートです^^
>ryuyokaonhachiojさん、こちらはリオ・デ・ジャネイロだけでも、スペシャルグループと2軍グループで合計24チーム。 各チームがそれぞれ3000人から5000人というチーム員で構成されていますので、その規模の大きさが想像できるというものです^^
>rabbitさん、カーニバルはただのお祭りと違って、にぎやかなオペラのように内容のあるものなので、さらに楽しみが広がります^^
>美美さん、そうですね。いかんせん遠すぎますね^^;
まあ、今ではTVという便利なものがありますのでニュースなどでその賑やかさ華麗さエネルギッシュさを垣間見ることができますね^^
>perseusさん、こんばんは~。
そうなんですよ。TVなどのニュースでは細かいところは説明しないので何がなんだか分からずに(それでも)楽しめますが、パレードがどういう構成かわかったらさらに楽しみや興味が増えますね^^b
>プー太の父さん。こんばんは~。
ありがとうございます。カーニバルの情熱で厳しい冬の寒さをすこしでも和らげることができれば幸いです♪
by Loby (2012-02-13 20:09)
写真から臨場感が伝わってきます。
凄い迫力、凄い歓声なのでしょうね。
それぞれのチームコンセプトも違っているのがよく分かります。
どのチームもこだわりもって、これのためにたくさんの力を注いでいるんでしょうね。
by 麻能 (2012-02-13 20:10)
ただただ圧倒されるばかりです。
by 青い鳥 (2012-02-13 22:33)
ご訪問&nice!ありがとうございます。
by あき坊 (2012-02-13 23:52)
一口にカーニバルのダンサーと言っても、
いろんな趣向を凝らしているのですね~
毎年行っていると惰性も出てくるかもしれないのに、
いろんなスタイルがあるということは、
それだけ練り上げているのだと感心させられます。
by mizuho (2012-02-13 23:52)
>麻能さん、カーニバルパレードほど楽しめるお祭りはないのではないか、と思います^^ サンバエンヘード、趣向を凝らした演技、華麗な衣装と山車、そして美女たち。 カーニバルのために各チームが注ぐ情熱と努力は想像を絶するものです。
>青い鳥さん、もうすぐ本番です^^b
>あき坊さん、ご訪問有難うございます。
>mizuhoさん、ことカーニバルには「惰性」という言葉はないような感じさせします。惰性に流されるチームはどんどん落とされますので、生き残るためには常に良いものをパレードで披露しなければなりません。
なのでパレードの優勝チームは、あらゆる点で満点の努力を示した勝者と言えると思います^^v
by Loby (2012-02-14 05:54)
こんにちは\(^o^)/
ウニードスダチジュッカチームの2011年の演技、面白かったです。
カーニバルって奥が深いのですね~。
美女の腰ふりダンスばかりがイメージでした。
世界最大、やっと見えてきました^^
by nana_hyr (2012-02-14 12:03)
初めまして。
ご訪問頂きまして、nice!をありがとうございました。
by 枝動 (2012-02-14 14:46)
はじめまして。
遠くからのご訪問&nice!ありがとうございます!
カーニバル、すごい迫力で美しいですね!
女性の美しさ、セクシーさにびっくりです。
by mari (2012-02-14 16:45)
こんばんは^^v
ご訪問&niceありがとうございました♡
それにしても素晴らしいカーニバルですね!
テレビなどで見るのはサンバガールの躍りくらいなので、
こんなにスゴイとは!驚きです\(◎o◎)/!
by hidamari (2012-02-14 21:46)
>nana_hyrさん、面白いでしょう?
コミッソン・デ・フレンテの面白さはこういうところにあるのです^^
だから毎年、各チームのパレード入場が見逃せません♪
>枝動さん、はじめまして。ご訪問有難うございます。
>mariさん、はじめまして。 ご訪問有難うございます。
カーニバルに出場するサンバガールは選り抜きの美女ばかりです。
そしてサンバエンヘードの歌と打楽器隊の演奏はすごい迫力です^^b
>hidamariさん、こんばんは。 ご訪問有難うございます。
カーニバルは情熱の坩堝ですね!
by Loby (2012-02-14 23:09)