戦国時代の女性たち-お船(おせん) [人物]
今日は趣向を変えて戦国時代に生きた女性の話しです。
戦国時代と言えば主役は武将たち。
そして戦国時代に名を馳せた武将たちを語るにおいて
かかせないのがこれらの武将たちを陰で支えたその妻たちでしょう。
内助の功で有名なのは山内一豊の妻、見性院(千代の名前で知られている)
ですが、今日は「お船(おせん)」を取り上げたいと思います。
直江兼続が使用した鎧兜
「お船」については、2009年にNHKが大河ドラマ「天地人」を放映しているので、知らない人はいないほど有名だと思いますが、NHKドラマにおけるお船の扱いはさておき、歴史研究家・三池純正氏の解説による「お船」を見てみたいと思います。
「主君を守ることは上杉家を守ることであり、ひいては越後(新潟県)を 守ることになる」ー
これが上杉家の重臣・直江家の変わらぬ信念であった。 お船はそのことを父親、直江景綱(上杉家の重臣。1509年-1577年)から学んだ。 景綱には嫡子がいなかったため、景綱はもっとも信頼する側近・樋口与六をお船の婿養子にし、直江家を継がせた。
これが後に上杉家の名宰相とうたわれた直江兼続である。
「奉公とは、身も心もすべて主君のために使うことであり、それが家臣たちを守る道である」ー
お船と兼続は、景綱の意志を継ぎ主君・上杉景勝を守り続けた。
兼続は常に景勝の側にあり、政務全般を担い、お船は景勝の正室・お菊の方の側にあって奥向き全般を取り仕切った。
お菊の方は武田信玄の娘であり、上杉家と武田家の同盟の証として景勝の妻となったのであったが、武田家は織田家に滅ぼされ、帰るべき家は無くなっていた。それに加え、お菊はいつまでたっても子ができず、心細さと不安に押しつぶされそうになっていた。 そんなお菊の心にお船は誰よりも耳を傾け、励まし続けた。
この時期、上杉家は家の存亡をかけた厳しい戦いをしいられていたが、家臣一同が一致団結して事にあたれたのは。お船が陰でしっかりと家を守っていたからだった。 上杉家は豊臣秀吉の厚い信頼を受け、秀吉の晩年には120万石の大名となり、越後から会津(福島県)に移った。
関が原の戦いでは徳川家康を相手に一歩も退くことなく戦ったが、戦いに敗れ、その所領を4分の1に減らされ、ふたたび出羽(山形県)の米沢に移された。
このとき、兼続は自分の所領を減らせるだけ減らし、その分を家臣たちに分け与えた。その恩義に触れた上杉家の家臣たちは所領が減っても、そのほとんどが上杉家から離れなかった。
「人こそわが上杉家の宝なり」― これが兼続の信念であった。 上杉景勝は、晩年、側室との間に定勝という嫡子をもうけたが、その母は産後の肥立ちが悪く、出産のあとすぐ死んでしまった。 母の顔さえ知らない定勝を案じた景勝は、お船に母親としての養育を託した。お船は定勝を立派な上杉家の後継者に育てることに残りの人生をささげることを決意する。
その甲斐あって、定勝は立派に成長し、景勝の跡を継いで上杉家藩主となった。 お船と兼続の間には一男二女がいたが、いずれも若くして亡くなり、直江家には後継者がいなかった。しかし、お船は養子をとろうとはしなかった。それは名門・直江家の断絶を意味したが、お船はあえて直江家を断絶させることで、その所領を少しでも上杉家家臣たちに分け与えたいと願っていたのだ。 最後の最後まで、お船は上杉家のために行き抜く道を貫いたのだった。
何とも感銘する戦国武将の妻、お船の生き様ですね。
タグ:直江兼続 天地人 お船
2011-05-30 21:57
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コメント(6)
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こんばんは。
実は、尊敬する人は?と聞かれると、確実に直江兼続を挙げ続けております。
それくらいに、直江兼続を崇拝している私です。
彼の生き様、働きなどなどどれをとっても、素晴らしい!!
でも、その陰にはこのお船の働きがあったのですね。
by perseus (2011-05-31 01:06)
歴史は苦手です、 (>_<) NHKの大河ドラマは見ません (^-^)。
by himanaoyaji (2011-05-31 05:22)
戦国時代って、実は戦いの裏側では数々の女性が
活躍しているんですよね。
by Live (2011-05-31 12:21)
>お船はあえて直江家を断絶させることで、
その所領を少しでも上杉家家臣たちに分け与えたいと
願っていたのだ。
「私」を捨てて見事な生き方を貫き通した女性ですね。
保身に走る、どこかの国の政治家や会社役員に見習って欲しいものです。
by 青い鳥 (2011-05-31 15:04)
大河ドラマはほとんど見ないので、お船は知りませんでした。
勉強になりました。
by 駅員3 (2011-05-31 17:04)
≫perseusさん、こんばんは。
perseusさんが直江兼続のファンというか、兼続を尊敬しているということは、ブログで見て知っていました^^b
実際、我々の見本になるような素晴らしい生き方をしていますね♪
≫himanaoyajiさん、あれ~?!
大河ドラマ見ない人もいるんですね~^^;
まあ、こんなのは個人の趣味ですから、見ないからといってどうって言うことないのですけどね。
≫Liveさん、戦国時代に限らず、いつの時代でも歴史上で重要な人物の陰にはいつも聡明で素晴らしい女性がいたようです^^b
今回は戦国時代の女性にテーマをしぼって書いてみました♪
≫青い鳥さん、これこそ無私で潔い、見本的な生き方ですね!たいへん感銘しました。
≫駅員3さんもたいへんご多忙だからドラマなど見ているヒマはないでしょうね。
戦国時代の武将や女性たちの生き方はたいへん参考になります^^
≫私が三人目さん、ご訪問&nice!ありがとうございます。
≫okin-02さん、ご訪問&nice!ありがとうございます。
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by Loby (2011-05-31 21:12)