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ビバ・ジャパン - Viva Japao [好奇心&ニュース]

 日本は春に入りましたが、ブラジルは逆なので秋に入りました。
先週末から少し涼しくなり、クーラーのない、健康的(?)で地球温暖化にも大きな影響を与えないセンプーキ(扇風機)しかない職場で働くLobyにとっては、この涼しさは助かります(^O^)

今日は、ちょっと変わった話題を提供します。
日本では、ほとんどの方が知らないと思いますが、来年、2008年はブラジルに日本人移民が移住しはじめてちょうど100周年になります。
ブラジルの日系社会は、この佳節を祝おうと準備を進めています。

残念なことに、日本政府は歴史の中から『移民』という言葉を抹殺してしまったようで、去年だったか、小泉前首相がブラジルを訪問し、また、ブラジルからはルーラー大統領が日本を訪問した時に、2008年を『日伯交流年』とし、両国の交流をさらに深めようということが合意され、すでに日本では実行委員会がスタートしたそうですが、この日本側では、ブラジル移民100周年ということはあまり宣伝されておらず、交流の方ばかりが宣伝されているようです。
日本政府が、明治時代から人口対策の一つとして移民政策をとってきたことは周知の事実ですが、それらの移民に対して十分な支援をしなかった(怠った)ため、非残な生活を送った移民も多く、これも全て事実です。

日本政府が、歴史的に、過去の過ちを覆い隠すという愚行をするのは、移民問題だけでなく、その他にもいろいろありますが、ここではその他の問題は取り上げず、ブラジル移民100関連のことのみを書きます。

『移民』という言葉を極力使わないように神経を尖らす日本側と違って、「ブラジル日本移民100周年記念祭典実行委員会」と明確に『日本移民』との名称を入れた委員会が昨年末の大統領令で発足しています。
ブラジル政府は、日本移民が100年にわたって同国に大いに貢献した事実を知っており(ブラジル人は大の日本ファンであることも手伝って?)、国をあげて大いに日本移民100周年を祝おうと考えているのです。

その計画の一環といえる大きなプロジェクトが、2月末にサンパウロ州教育局より発表されました。 ブラジルの邦字新聞にその概要が報道されましたので下に紹介します。

「素晴らしい日本文化を青少年たちに
『ビバ・ジャパン』で学ぼう サンパウロ州教育局、百周年記念協会共催

 日本移民百周年を祝って日系移民だけでなく、多様な文化を持つ、サンパウロの全州民が、百周年を理解、いっしょに祝い、移民の意義を振り返り、日本への関心を高めてほしいとの願いを込めて、その第一歩としてまず、州内の小・中・高校生の青少年たちを対象に日本文化に触れ、親しんでもらおうと、サンパウロ州教育局と日本移民百周年記念協会共催の『ビバ・ジャパン』が三月からスタートする。そのプロジェクト調印式が二月二十七日、州教育局で行われた。

 各校で趣向凝した学習を 「日本移民」テーマに作品コンクール

 『ビバ・ジャパン』は二〇〇八年の日本移民百周年を記念して、日本移民をテーマにサンパウロ州公立小・中・高等学校の授業で児童・生徒が日本について学び、日本文化への理解を深めることを目的としている。公立学校五千百校に通う児童・生徒(五百六十万人)を主な対象とし、三百万レアルの予算が組まれている。

 参加は学校単位で、希望校は企画書を作成し、同プロジェクトを校内カリキュラムにも組み込むことになる。期間は2007年度から2年間で、今年度を準備期間とし、来年度には移民百周年記念祭で発表する優秀作品選出のためのコンクールも行なわれる。

 プロジェクト説明の中で、小・中学校では日本の遊び、童謡、昔話、歴史、高等学校ではマンガ、アニメ、カラオケ、テクノロジーなどが題材の例に、発表形式には、新聞作成、校内ホームページ作成、実体験、展覧会、劇、ダンス、インタビューなどが例として挙げられた。

 同プロジェクトを通して、最終的には子どもたちの興味関心や将来の職業選択の幅を広げることを狙いとする。 

 立案者の日野寛幸(CENP役員)氏は、「作文や個人作品などではものたりない。実体験を通じて、子どもたちが将来社会参加する時の手助けになるようなものを」と、体験型のプロジェクトを創案した。また、企画は児童・生徒を中心に、教員との話し合いで行なわれるのが望ましいとした。

 百周年協会の上原理事長は人間形成の大切な時期である初等教育の重要性に触れ、国籍を問わず、子どもたちへの情操教育を通じて感性豊かな人間性の涵養の大切さを説いた。

 バスコンセロスサンパウロ州教育局長官は、「パスタもあり、寿司もあり、サンパウロは様々な文化を受け入れて発展してきた」と述べ、このような多様文化の教育を受けた子どもたちが将来の社会構成員になることに期待を寄せた。

 セレモニーの中で尺八演奏を披露したシェン・リベイロ氏は、プロジェクトについて「交流というよりも、日本文化を体感できるという印象を受けた」とし、「素晴らしい。応援します」と評価していた。

 同プロジェクトは今月から正式に開始される。」

という、まったくすばらしいものです。
それに対して、日本側では、学校で学ぶ歴史の中では移民については一切触れません。まあ、これは移民だけでなく、前述した他の日本政府が覆い隠そうとする歴史の事実に関しても同じですが…

それにしても、ブラジルっていう国は、いろいろ問題をかかえているけどすばらしい国ですね。

ビバ・ジャパン(日本バンザイ)もいいけど、日本あたりで「ビバ・ブラジル!」という名称で焼酎学校の教育カリキュラムに取り上げて欲しい思うのはLobyだけでしょうか…


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megumi

始めまして、Lobyさん。
いつも楽しく拝見させて頂いております。
日本では“移民”って言葉、本当に抹殺していますね。
私自身、実際にブラジルに移民していた人と、日本で出会うまで“移民”って言葉、学校で習ったかどうか???
その人から、ブラジルのすばらしさ、特に、ブラジル人の暖かさ、人なつっこさ、又反対に、社会の問題とか、経済、自然など、色々教えて頂いて、大変ブラジルに興味を抱いています。
Lobyさんがおっしゃるように、小中学校で“ビバ・ブラジル!”やっちゃうと、日本も、もっと世界に通用する人間が出来るのでは無いかと、ひそかに思っています!
by megumi (2007-03-24 13:18) 

Loby

megumiさん、はじめまして。
いつも「ブラジル大好きBlog」を訪問していただき、ありがとうございます。
日本でブラジル移民の方と知り合ったんですか!
ブラジルは、来たことのある人、住んだことのある人なら知っている素晴らしさがあります。
megumiさんが知り合った方が言ったように、ブラジル人は暖かいし、誰でも両手を広げて受け入れる抱擁さを持っています。
たしかに、社会的にはまだまだ解決しなければならない問題も積載していますけど、けっしてくじけない明るさ、楽天性も持っています。
“ビバ・ブラジル!”、本当に日本でもやって欲しいですね( '-' )( ,_, )( '-' )( ,_, ) うんうん
by Loby (2007-03-24 21:35) 

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